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2015/12/9(2019/9/30更新)

一流バーテンダーへの道。大切なのは技術? それとも人柄?

飲食店で働くスタッフの中でも、特に“華”のある職種だといえるバーテンダー。凛とした佇まい、美しい所作、そして躍動感あふれるシェイキング。飲食店で働く方の中には、バーテンダーという職種に憧れを抱いたことがある方もいるのではないでしょうか。では、バーテンダーとして必要なこととは何でしょうか。技術?それとも人柄…? 一流のバーテンダーを目指す方はぜひ参考にしてください。

<これからバーテンダーを目指す方へ>
バーテンダーになるのに資格は必要? バーテンダーに必要な技術・心得とは

バーテンダーの技量が問われるのはやっぱりカクテル

バーでは、ウイスキーやワイン、シャンパンなどさまざまなお酒が提供されていますが、バーテンダーの技量が一番問われるお酒といえばやはりカクテルでしょう。カクテルは2つ以上のアルコール、またはジュースを混ぜ合わせて作ります。混ぜ合わせる際にどのような材料を扱うかによって、用いる技術が変わります。詳しくご紹介していきましょう。

■ステア

ステアとは「混ぜる」「撹拌(かくはん)する」という意味を持ちます。この技術を使用するケースは、材料が比較的混ざりやすいとき、そしてカクテルを濁らせたくないときです。カクテルの王様と呼ばれるマティーニも、この方法を用いて作られます。用いる器具はミキシンググラスとバースプーン、そしてストレーナー。氷と材料をミキシンググラスに入れて混ぜ合わせ、最後にストレーナーを用いて氷を取り除きながらグラスへ注ぎます。シェイクするカクテルに比べ、材料の魅力がストレートに出るのが特徴とされています。

■シェイク

バーテンダーを象徴する技術といえばコレ。シェイカーに氷と材料を入れて小気味いいリズムで振っていきます。カクテルは材料単位の味が分からないほど見事に混ぜ合わせ、新たな味を表現するのが醍醐味です。なので、シェイキングが必要なカクテルは、材料が混ざりにくい、しっかりと冷やす必要があるなどの理由があります。シェイカーを振ることで、味をまろやかにし、急激に冷やすことでアルコールの強さを和らげるなどの効果も得ることができるようです。

■ビルド

シェイカーやミキシングといった器具を用いずに、材料をグラスへ直接入れながら作る技術を差します。代表的なカクテルとしてはジントニックなどが上げられます。一見、簡単そうに思えますが、バースプーンの使い方には注意が必要で、たとえば炭酸を材料として用いた場合は1~2回ほどかき回すだけで、材料を上手に混ぜ合わせる必要があります。

■ブレンド

フルーツなどを使用したフローズンカクテルを作るときに用いる技術です。ブレンダ―とはいわゆるミキサーのこと。材料と一緒にクラッシュドアイスを入れることで、シャーベット状のカクテルに仕上げます。

上で挙げたものはすべて材料を混ぜる際に用いる技術。このほかにも、アイスピックを使用して氷を砕く、スクイザーを使用してレモンやライムを絞るといった技術、さらにアルコールに対する深い知識も必要となります。バーテンダーはスマートにお酒を作っているように見えますが、そこには知識や経験がギュッと詰まっているというわけですね。

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技術だけじゃない。「人間としての懐の深さ」が一流への道

バーテンダーにとって大切なこととは何か? もちろんお酒に対する知識・技術は必要不可欠ですが、それと同様に大切なのが「接客技術」。いくらお酒の味が美味しくても、居心地が悪ければ意味がありません。「一人でゆっくりと飲みたい」「社交の場として楽しみたい」などのゲストのニーズを捉え、それに合わせた接客をする必要があるのです。

これには観察力や会話力といった、お酒を作ること以外の能力が求められます。技術だけをとことん究める料理人とは違い、さまざまな要素が求められるバーテンダーは、一筋縄ではいかない職種と言えそうですね。

■『サンダーボルト』バーテンダー葉山さんより

以前、弊社Web媒体『Foodist』で中目黒の人気バー『サンダーボルト』を取材しました。店を率いるバーテンダー、ルパン・J・葉山さんがこんなコメントを残していたのでご紹介しましょう。

「昔、オレが京王プラザホテルのバーで修行していたときにさ、いろんなバーに足を運んで勉強させてもらってたんだけど、なかでも印象的だったのが渋谷の『コレオス』だったなぁ。ここの店主の大泉さんはバー業界でも巨匠として知られる人なんだけど、この方はやっぱりスゴかった。

最初の一杯はジンフィズを頼んだのね。ジンフィズってすごくメジャーなカクテルで、ウチの店でもよく飲まれるんだけどさ、じつはすごく技術が必要なの。シェイキングが曖昧だと、味がぼやけちゃうからさ。で、ジンフィズを頼んで腕を確かめようとしていたのがバレちゃったのか、二杯目に頼んだマティーニで大泉さんが仕掛けてきたんだよね。

マティーニをミキシンググラスで作ってそれをカクテルグラスに注いでくれたんだけど、明らかに量が多いの。『あれ?こんなミスするんだ』なんて思ってたら、余ったマティーニを今度は自分のグラスに注ぎだしてさ『はじめましてだから、乾杯しよう。君はどこのバーの出身なの?』なんて言ってさ、ちょっと渋すぎるよね。腕を試されたのに気づきつつ、でもちゃんとオレみたいな若造でも向き合ってくれる。味はもちろん一級品なんだけど、やっぱり人間としての懐の深さを感じたなぁ…」


『コレオス』の大泉さんとは50年以上もバーテンダーとして活躍し、バー業界では知らない人がいないほどの数々の伝説を残してきた人物。これだけ長くバーテンダーとしてご活躍されたのは、技術が優れていただけでなく、バーの本質を捉えた温かい人柄があったからなのかもしれません。

今回は一流のバーテンダーに求められるものとは何かを考察してみました。バーテンダーを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

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