しょくヨミ!!　飲食店の正社員／アルバイト求人情報サイト ［更新：Thu Sep 19 10:21:00 JST 2024］

同じメニューに対して、外国人観光客の価格を自国民の客よりも高く設定することを「二重価格」と呼びます。最近では、1杯3,000円のラーメンや1杯1万円の海鮮丼などがニュースで取り上げられ、大きな話題となりました。

日本では二重価格を導入している飲食店はまだ多くありませんが、海外には導入している飲食店や観光名所が多くあります。そのため、外国人観光客の中には二重価格に対して抵抗がない人も少なくありません。また、円安の影響もあり、高い価格を設定しても安いと感じる人もいるようです。

二重価格を導入する際は、不当に高い価格を設定する、外国人観光客向けのメニュー表に安いメニューを載せないといった不誠実な方法はやめましょう。SNSなどで悪い評判を広められてしまった場合、店の信用が低下し、常連客も離れてしまうリスクがあります。

では、どうしたら外国人観光客、日本人客の両者に納得してもらえるのでしょうか？

■外国人観光客を不当に高くするのではなく、日本人客を割引する

多くの人に納得感を持ってもらいやすいのは、メニューには同一の価格を記載し、会計時に「地元民割」などとして日本人客から割引をする方法です。ただし、日本人かどうかの確認をどのように行うか、日本人と外国人が混ざったグループの場合はどうするかなど、さまざまな検討が必要です。

■外国人観光客向けのスペシャルメニューやサービスで付加価値を高める

外国人向けのスペシャルメニューをつくり、高い価格を設定するのもいいでしょう。外国人好みの料理やその土地ならではの料理、魅力的なサービスなどの付加価値があれば、高めの価格設定でも不満は出ない可能性が高くなります。

また、二重価格を導入する場合は、店頭に掲示する、ホームページに記載するなどして、すべてのお客に周知することも大切です。

最近のインバウンド需要の高まりは、飲食店にとって売上アップのチャンスです。そのため、すぐにでも二重価格を導入したいという店もあるかもしれません。しかし、二重価格に対しては「相手によって価格を変えるのは差別ではないか」という声もあり、やり方を間違えると外国人観光客だけでなく、日本人客にも不信感を持たれてしまう恐れがあります。二重価格を導入する場合は、必ず料理やサービスに見合った価格を設定しましょう。

和食は人気が高く、外国人観光客の旅行の目的のひとつにもなっています。せっかく日本に旅行に来てくれているお客様には、満足して帰ってもらいたいですよね。二重価格で出た売上の何割かを外国人観光客の対応強化のために使うなど、よりよいサービスを提供できるよう考えてみてはいかがでしょうか。