しょくヨミ!! 飲食店の正社員/アルバイト求人情報サイト [更新:12月5日 18:30]

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飲食店でも深刻なカスタマーハラスメント。「カスハラ」の定義と対策を解説

「外食アワード2024」にて、2024年を象徴する「外食キーワード」が発表されました。選ばれたのは「M&A活況」「インバウンド価格」「カルビ丼業態」「日本フードサービス協会(JF)50周年」「カスハラ対策」の5つ。今回はこの中から「カスハラ対策」を取り上げ、解説します。
飲食店でも深刻なカスタマーハラスメント。「カスハラ」の定義と対策を解説は 画像素材:PIXTA

カスハラとは?

「カスハラ」とは「カスタマーハラスメント」の略で、お客からの理不尽なクレームや言動のこと。厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策マニュアル」では、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業関係が害されるもの」と定義されています。

■「顧客等の要求の内容が妥当性を欠く場合」の例

・企業の提供する商品・サービスに瑕疵・過失が認められない場合
・要求の内容が、企業の提供する商品・サービスとは関係がない場合

■「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動」の例

・身体的な攻撃(暴行、傷害)
・精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉棄損、侮辱、暴言)
・威圧的な言動
・土下座の要求
・継続的な(くり返される)、執拗な(しつこい)言動

など

カスハラ対策の基本と対応例

まずは、カスハラを想定した事前の準備から始めてください。事業主がカスハラ対策への取り組みの基本方針・基本姿勢を明確に示し、従業員へ周知します。そして「相談対応体制の整備」「対応方法・手順の作成」「社内対応ルールの従業員等への教育・研修」を行いましょう。

実際にカスハラが起こった際は、以下のように行動します。

■①事実関係の正確な確認と事案への対応

・カスハラに該当するかどうかを判断するため、顧客、従業員等からの情報をもとに、その行為が事実であるかを確かな証拠・証言に基づいて確認する。
・確認した事実に基づき、商品に瑕疵がある、またはサ一ビスに過失がある場合は謝罪し、商品の交換・返金に応じる。瑕疵や過失がない場合は要求等に応じない。

■②従業員への配慮の措置

・被害を受けた従業員に対する配慮の措置を適正に行う。くり返される不相当な行為には一人で対応させず、複数名で、あるいは組織的に対応する、メンタルヘルス不調に対応するなど。

■③再発防止のための取組

・同様の問題が再び発生するのを防ぐため、定期的な取り組みの見直しや改善を行い、継続的に取り組みを行う。

ここからは、特に多いケースの対応例を紹介します。

【長時間にわたる居座り・電話の場合】
対応できない理由を説明し、応じられないことを明確に告げる等の対応を行った後、膠着状態に至ってから一定時間を超える場合、お引き取りを願う、または電話を切る。複数回電話がかかってくる場合には、あらかじめ対応できる時問を伝えて、それ以上に長い対応はしない。

【怒鳴り声をあげる・侮辱的発言をする場合】
大声を張り上げる行為は周囲の迷惑となるため、やめるように求める。侮辱的発言や名誉毀損、人格を否定する発言に関しては、後で事実確認ができるよう録音し、程度がひどい場合には退去を求める。

【殴る・蹴る・物を投げつける等の行為を行う場合】
行為者から危害が加えられないよう一定の距離を保つなど、対応者の安全確保を侵先する。また、警備員等と連携を取りながら、複数名で対応し、直ちに警察に通報する。
カスハラに発展させないためには初期対応が重要 画像素材:PIXTA

カスハラに発展させないためには初期対応が重要

トラブルが起こった際、カスハラに発展させないためには、誠意ある対応をしつつ、状況を正確に把握し、事実確認をする必要があります。以下の事項に留意しつつ、まずはお客の主張を傾聴します。

・対象となる事実、事象を明確かつ限定的に謝罪する
・状況を正確に把握する
・現場監督者または相談窓口に情報共有する

ただし、暴力行為やセクハラ行為を受けた場合は一人で対応せず、すぐに現場監督者に相談するなどして事案を引き継いでください。また、不要な卜ラブルを避けるためには、初期対応の時点で複数名で対応するのもよいでしよう。

外食業界でも、従業員を守るためにカスハラ対策を強化する企業が増えています。お客に対して真摯に対応し、満足を提供するのが接客の基本ですが、一方で常識の範囲を超えた要求や言動等をする者に対しては毅然とした態度で対応する必要があります。いつ自店でカスハラが起こるかわかりません。いざという時に従業員一人ひとりが適切な行動を取れるよう、研修を徹底して行っておきましょう。

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