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飲食店の梅雨のおもてなし ~リピーターを生むホールスタッフの接客術~
では、お客様に「またこの店に来たい」と思っていただくためには、どのようなおもてなしをすればよいでしょうか。
なぜ「梅雨はリピーターを増やせるチャンス」なのか?
雨が降っていると外出するのがおっくうになります。では、悪天候でもわざわざ来てくださる方というのは、一体どのような方なのでしょうか。もともと外食が好きな方、お店のファンの方、用事のついでに来店された方もいれば、急な雨で雨宿りをしたかった方など、さまざまな方がいらっしゃいます。
悪天候にも関わらず足を運んでくださったお客様に「わざわざ来た甲斐があった」と思わせることができたらどうでしょう。思いがけず気持ちのよい対応を受けたお店のことが記憶に残り、リピートしてくださるかもしれません。職場が近い場合には、日常的に利用してもらえる可能性も高くなります。
では、「このお店、感じがいいな、また来よう」と思ってもらうために、どのような接客対応をすれば良いのでしょうか。
まずは、スタッフ全員でアイデア出しを
飲食店に勤めるスタッフも、外食する機会がたくさんあります。雨の日にどんな対応をされたら嬉しいでしょうか。あるいは、どんな対応をされたら「もう、行きたくない」と思いますか? まずは、スタッフ間で話し合ってみましょう。例えば、以下3点について意見を出し合ってみてください。
・してほしくないこと(放っておかれる、エアコンがくさい、など)
・されたいこと(暖かい接客、タオルを借りられること、など)
・されたら嬉しいこと(体が冷えたときに膝かけを貸してもらえること、など)
全員で集まる機会がない場合は、アンケートでも構いません。ここで大切なのは、ホール、厨房の区別なくスタッフ全員で取り組み、リピーターを増やせるよう意識を共有することです。
雨の日マニュアルを作成
次に、出てきたアイデアや意見をもとに「雨の日マニュアル」を作成します。お客様の来店からお店を出るまでシュミレーションし、スタッフ対応のマニュアルを作ります。マニュアルといっても機械的でなく、感謝と心遣いを忘れず、雨の日でも心地よく過ごせるサービスを考えてみましょう。ホールスタッフが中心となりますが、厨房スタッフも共有します。例えば、次のようなリストが挙げられます。
■あいさつ:「いらっしゃいませ」のあいさつとともに、「雨の中、ご来店ありがとうございます」「いま雨はどのくらい降っていますか?」などの言葉を添えます。
■タオル:カバンや体が濡れている時は「タオルをお使いになりますか?」と申し出ます。また、レインコートをお預かりするかどうか伺います。
■室内の温度:注文を受ける際、「寒くないですか?」「蒸し暑くないですか?」などお聞きします。エアコンで調整できる場合は調節します。室温が適温ならば、お客様の状態に合わせた温かい料理、さっぱりする料理などをお勧めするのも良いでしょう。料理の温度などお客様のリクエストがあれば、厨房スタッフに伝えます。
■洗面所の点検:雨の日の髪の毛は気になるもの。普段より鏡に向かうお客様が多いです。鏡はくもっていませんか? 洗面台に髪の毛は落ちていませんか? チェックの頻度とタイミングを決めましょう。
■床掃除など:雨が強い場合は、玄関マットがあっても店内の床が濡れてしまうことがあります。お客様の目に止まりにくいタイミングなど、床掃除の頻度やタイミングを決めましょう。
■お会計時のあいさつ:雨の中、来店してくださったお礼をしっかりと。「傘をお忘れではないですか」「お気をつけてお帰りください」「また、いらしてください」などの言葉も添えます。
■傘の忘れ物:傘忘れに気が付いた場合は、店内でお預かりします。その際、日付や時間など分かるようにタグをつけるなど、どのようにするか決めましょう。
傘立て、エアコン掃除などハード面の整備を
梅雨時に気になるのが、換気、傘立て、床の濡れ具合です。ハード面のチェックをして、問題があれば掃除や買い替えなどを図りましょう。
■エアコン:スイッチを入れた時に臭わないか、温度や除湿機能の調節はうまくいっているか確認し、フィルターの掃除などをします。
■傘立て:掃除をきちんと。壊れている部分があれば買い替えます。置き場所はできるだけ店内に。店外の場合は目の届くところに置きます。これまで置いてあった忘れ物の傘は、店内で預かるか、処分します。
■掃除道具・玄関マット:あまりにもくたびれていたら買い替えましょう。お客様の前で床を拭く場合もあるので、掃除用具の手入れはきっちりと。
プラスαの心遣いを
足元が濡れているのは気持ちが悪いものです。入店時に紙タオルを勧めたり、洗面所に紙タオルを多く用意するのも良いかもしれません。また、寒そうな人にはひざ掛けをお貸しするなど、「自分がしてもらったら嬉しい」サービスをお店全体の心遣いとして生かしてみてはいかがでしょうか。
いかがでしたか? 1つ1つは小さなことですが、足元の悪い中わざわざ来てくださったお客様に、お礼を込めた心遣いはきっと伝わるはずです。客足が鈍る梅雨のシーズンこそできる「リピーターを生む」接客サービス。スタッフ全員で取り組んでみてください。
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