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2016-04-27 10:00:32.0

料理人は今一度チェックを! 食中毒の危険性がある5つの食材~春夏編~

すっかりと暖かくなったこの頃。これから気温はぐんぐんと上がり、やがて梅雨、そして夏本番を迎えていきます。

暖かくなり湿気も増えるこれからは、飲食店にとっては食中毒に気をつけなければいけない季節。手洗いや清掃といった基本的な対策はもちろんのこと、食材や調理に対する正しい知識を身につけて対応していく必要があります。

今回はこうした食中毒対策の中でも、「食材」にまつわる対策を紹介。これから旬を迎える食材を中心に、その対策法をまとめました。

慣れている食材でも注意が必要!

普段から扱っている食材こそ注意が必要です。“慣れ”に惑わされず、今一度、食中毒の危険性を認識しておきましょう!

■ジャガイモ

年間を通して使用頻度の高いジャガイモですが、新ジャガが出回るこの季節は丸ごと調理することも多いのではないでしょうか。ジャガイモの芽の付け根に毒性があることは、昔、理科の実験で習ったという方も多いと思いますが、じつは光に当たって緑色に変色した皮にも注意が必要です。

ジャガイモの毒性はソラニンという天然毒素で、一定量以上ソラニンが含まれているジャガイモを食べると頭痛や嘔吐、腹痛といった症状や、子供の場合には意識の昏睡や痙攣を起こすこともあります。ソラニンは加熱調理では消えません。水に溶けやすい性質がありますので皮を剥いた後には十分水にさらし、茹でる際にも茹でこぼすことでかなり除去ができるようです。しかし完全に取り除くことができるわけではないので、なるべく新鮮なジャガイモを使用し、発芽や緑化が進んだジャガイモは使用しないのが安全といえるでしょう。

■イカ

これからの時期、刺身などで食べることの多いスルメイカですが、寄生虫には十分注意が必要です。イカをはじめサバ、イワシ、カツオ、サンマ、アジなど多くの魚介類に見られるアニサキスという寄生虫。長さ2〜3cm、幅0.5〜1mmくらいで白い糸のような体をしています。

アニサキスが寄生している魚介を生のまま食べると、胃や腸に潜入し、みぞおちの激しい痛みや嘔吐、腹膜炎などをおこします。対策として、まずは新鮮なものを仕入れ、速やかに内臓を取り除くことが肝心です。アニサキスは70度以上で死滅しますので可能であれば加熱処理を、またマイナス20度で24時間以上冷凍すると感染力が失われますので冷凍処理をおすすめします。加熱調理を行わない場合には鮮度と下処理を徹底して予防に努めましょう。

■チーズ

サラダや前菜などに欠かせない食材ですが、ナチュラルチーズや乳製品、生ハムなどの食肉加工品にはリステリア菌という食中毒を引き起こす菌が潜んでいる可能性があります。リステリア菌は4度以下の低温でも増殖するため、冷蔵庫で保管しているからといって安心はできません。特に妊婦や高齢者など免疫機能が低下している方は少量のリステリア菌でも敗血症や髄膜炎など危険な症状を引き起こしますので飲食店としては十分な注意が必要です。鮮度の確認や消費期限をしっかり守ることで予防しましょう。

■ワラビ

旬を演出する食材として重宝する山菜類ですが、ワラビには毒性がありますので注意が必要です。必ずアク抜きをすることが重要で、適切な処理がされていないと下痢や嘔吐などの症状を引き起こします。またきちんとアク抜きをしたものでも大量に摂取すると中毒症状を起こし最悪の場合、死に至ることもあります。ワラビの他にも秋のキノコ類や、冬に旬をむかえるフグなど、自然毒を有する食材は数多くありますので、それぞれの食材に応じた適切な処理が必要になります。

■ツブ貝

夏頃から旬をむかえるツブ貝には、テトラミンという神経を麻痺させる毒素が含まれています。テトラミンは貝の唾液腺に含まれており、この部分を食べると、食後30分~1時間後に視覚異常やめまい、頭痛などの症状が現れます。個体差はありますが唾液腺1個で中毒量のテトラミンを含む場合もあります。加熱や冷凍、酢漬けなどの処理では分解されませんので、唾液腺部分を完全に取り除く処理が必要になります。

ツブ貝のほかにも、貝毒と呼ばれる毒性を持つ貝が多数存在します。また、冬場に増えるノロウィルスも、牡蠣やホッキ貝などに付着する可能性があります。貝類の取り扱いには十分な注意が必要です。

いかがでしたか? これからの季節は、火を通さずに提供される料理が増えてくると思います。特に夏場の刺身類には細心の注意を払いましょう。先ほど挙げた、イカやサバなどにみられる寄生虫のほかにも、海水温度が20度以上になると大量に増殖する腸炎ビブリオ菌は、夏場に水揚げされる魚介類のほどんどに付着する可能性があり、7月から9月の食中毒の原因になります。調理器具を介した二次感染や、手指から別の食品へと菌が広がる場合もありますので徹底した衛生管理で、食中毒の発生を防ぎましょう。

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