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2022-08-25 12:09:01.0

感染対策の換気と熱中症予防、どう両立する?お客様が涼しく過ごせる方法も紹介

新型コロナの感染が再び急拡大したこの夏。行動制限が課せられていないため、感染対策に気をつけながら営業している飲食店も多いでしょう。感染対策には換気が必須ですが、猛暑の中で窓やドアを開けっ放しにすると、店内の温度が上昇し熱中症のリスクが高まります。換気機能のない循環式エアコンを使用する飲食店では、換気と熱中症対策をどのように両立すべきなのでしょうか。
画像素材:PIXTA

換気と熱中症対策を両立する方法

新型コロナの感染対策としては、30分に1回、窓や扉を数分間開ける換気が推奨されています。もちろん、換気機能の搭載されていないエアコンを使用している飲食店でも、こうした基準に沿った換気が必要です。

しかし、換気のために窓や扉を開けたままにしていると、熱気が入ってくることで熱中症リスクが上昇します。屋内で熱中症を予防するには、ビル管理法の基準に則り、室温と相対湿度を「18℃以上・28℃以下/40%以上・70%以下」に保つことが重要。そのため、真夏のコロナ対策においては、同時に熱中症対策にも気を配る必要があるのです。

室温と相対湿度を基準内に保ちながら効率よく換気するコツは、2方向の窓を常時できる限り開けておくこと。その間、エアコンの温度は可能な限り低く設定しておきましょう。もし窓が1方向しかなければ、天井や高い位置にある開口部、または扉を開ける必要があります。窓を開ける幅は、温度と湿度を適宜チェックしながら調節してください。

換気不足を空気清浄機でカバー

店舗によっては、窓を大きく開け続けたままでは適切な温度・湿度を維持するのが困難ということもあるでしょう。その場合は、可搬式の空気清浄機を併用することで換気不足を補うのがおすすめです。5㎥/min以上の風量を発揮する、HEPAフィルタによる濾過式タイプの空気清浄機を選んでください。ただし、空気清浄機はあくまで換気量を向上させるもの。窓を閉めたままでは換気効果を発揮できないため、必ず窓を開けた状態で稼働しましょう。

換気効果を高めるには、室内の空気が留まらないよう、外気を取り込む風向きと空気清浄機の風向きを揃えるのがポイントです。間仕切りなどで空気が留まりがちな場合は、空気の流れを妨げない方向や間仕切りの間に空気清浄機を設置してください。なお、1台の空気清浄機で換気量を補填できる範囲は「人がいる場所から10㎡(6畳)」が目安です。店舗の面積に合わせた台数の空気清浄機を導入しましょう。

お客様に快適に過ごしていただくコツ

換気によって店内の温度が上昇しがちな場合は、シーリングファンやサーキュレーターを導入し、客席の体感温度を調整しましょう。

調理中に発生した熱は上昇するため、ダクトで排気しきれなかった熱い空気は天井の付近に滞留します。大きなプロペラが回るシーリングファンを天井に取り付ければ、上部から床までの空気を撹拌し、店内全体の温度を均一にしてくれます。空気の流れが生まれることで体感温度も低くなり、お客様が快適に過ごせるようになるはずです。

シーリングファンの設置が難しい場合は、サーキュレーターを活用してはいかがでしょうか。真上に向けて稼働させれば空気を撹拌でき、エアコンの風が届きにくい場所に向ければ、ピンポイントで冷気を届けることも可能です。

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お客様の服装に応じて案内する席を変える

店舗の環境によっては、席の位置ごとに体感温度が異なることもあります。お客様の来店時の様子や服装などに応じて案内する席を調節すれば、より多くのお客様に快適に過ごしていただくことができます。

例えば汗をかきながら来店したお客様は、エアコンの冷風がしっかり当たる席へとご案内する、真夏でもカーディガンを羽織っている方なら、体が冷えないよう窓の近くの席にご案内するなど、お客様一人ひとりの様子を見て柔軟に対応しましょう。

新型コロナと熱中症、双方のリスクが高いこの夏は、飲食店にとっては悩みの多い季節かもしれません。しかし、換気や効率よく店内を冷やすコツを押さえれば、安心して涼しく過ごせる環境づくりが可能なはずです。ぜひ、今回ご紹介したポイントを実践してみてください。