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やりがいは「初めて来たお客さんの好きなワインを当てること」。ソムリエ大小原さんにインタビュー
目次
自分の店を出すなら、ソムリエの資格は取っておこうと思った
「ソムリエになるための勉強は、先輩に教えてもらいながらですが独学でしたね。8月のソムリエ試験に向けて、前年の1月くらいから半年間ほど勉強をしました」。
当時大小原さんは、毎日勤務先の店舗の就業時間1時間前に出社して勉強し、勤務が終わった後にも、もう1時間勉強して帰宅していたといいます。
「『コノスル』という比較的安くて手に入りやすいワインがあるんですが、それを10種類買って、テイスティングしながら勉強したりもしましたね」。
トリッパなどの内臓料理は、日本のモツ煮みたいなもの
「その後、料理の勉強をしようと一回店を辞めて、3ヵ月ほどフランスやイタリア、オランダなどをバックパッカーとして旅をしました。その頃はレストランに行くお金なんて無いから、向こうのガード下にあるような安い店ばかり行ってたんです」。
肉より内臓の方が安いため、旅行中はトリッパなど内臓を使った料理に合わせて、ワインばかり飲んでいました。「向こうでの日本のモツ煮みたいなもんですよ」と笑う、大小原さん。そんな経験もあり、今のモツ料理とワインの店を開こうと考えたのだそうです。
帰国して1~2年いろんな飲食店を回って料理を学んだ後、『はじめの一っぽ』でもう一度働くことに。
「5~6年そこで働いて、新規店舗の立ち上げをやらせてもらったり、キッチンでもホールでも働けるようにもなりました。そして29歳の時に独立しようと思って、店を辞めたんです」。
独立して今の店を開く前にソムリエの資格を取ろうと、先輩に教えてもらいながら勉強したのもこの店だったそうです。その後、無事にソムリエの資格を取得し、2012年に三軒茶屋にビストロ『MOZ』をオープンさせました。
お客さんの好きなワインを当てられた時が、一番楽しい
「初めて店に来てくれたお客さんに、この人これが好きだろうなと思って出したワインが当たった時が楽しいですね」。
大小原さんセレクトのワインを飲んだお客さんは、「こんな美味しいの飲んだことない」と言う人もいるのだとか。その多くは、少し会話しただけで自分の好みを当てられることに驚きを隠せない。「普段はワインが飲めない」と言う人でも、大小原さんすすめたワインなら「これなら飲める」ということも。これまで多くのワインを試飲してきて、全てのデータが頭に入っている大小原さんだからできるプロの技なのでしょう。
「ロニョンという内臓ですごく臭い腎臓の部分があるんですけど、ワインに合わせて食べると、相乗効果でそれが旨味になる。そういう内臓とワインの取り合わせも面白いですね。実は内臓はワインにとても合わせやすいんです」。
試飲会に足を運んで探すのは、まだ日本で知られていないワイン
「まだそれほど知られていないブルガリア産なら、フランスやイタリア産じゃ飲めないようなクオリティの高いワインが同じ値段で飲めるんです。ウチに来ると毎回これしか飲まない、というお客さんもいる程ですよ」。
試飲会の多いシーズンなら週に2回は試飲会に足を運び、1日に200杯以上ものワインを試飲することもあるという大小原さん。この店でしか味わえないような通好みのワインに出会えそうで、ワイン好きな方にはたまらない店に違いありません。
ソムリエはみんな、自分の頭の中におすすめワインリストを持っている
「ソムリエのバッチを着けた瞬間に、『この人はワインを知っている人なんだ』とお客さんから見られますからね。だからソムリエは、みんな自分の頭の中にワインリストが入ってますよ」。
ソムリエになるとみんな、多くのワインを試飲しながら自分の舌を育て、頭の中に自分のワインリストを作っていくのだそう。
「ビールや日本酒はいくら飲んでも覚えられないのに、ワインだとどれだけ時間がたっても一度飲んだものは味を忘れないんですよね」。
『MOZ』ではソムリエの資格勉強中という話をすると、なんと特別にソムリエの資格試験の2次対策用のワインを出してくれます。「結構スパルタで教えますよ」と笑う大小原さん。ソムリエを目指す人は、一度話を聞きに訪れてみてはいかがでしょうか。
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『MOZ(モズ)』
住所/東京都世田谷区三軒茶屋1-36-1高木ビル2F電話番号/03-3411-5464
営業時間/18:00~26:00(L.O.25:00)
【インタビュー記事】
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