和食・割烹『三ぶん・三分亭』の石原料理長に聞く。オープニング店舗で働く魅力とは
オープニング店舗の魅力と苦労
東京ミッドタウン日比谷の完成に合わせ、東銀座から移転した立ち呑みスタイルのお店『三ぶん』。すぐ隣には、座席でゆっくりお料理を楽しめる『三分亭』も新たにオープンしました。その両店舗で料理長を務めているのが、石原将人さんです。
石原料理長に、新規オープンするお店で働く魅力を伺いました。
「新しく始めるお店ということで、自分の意見を取り入れてもらえます。特にメニュー作りにはこだわりました」
新しいお店でどんな料理を出すのか、一から考えられるのは料理人冥利に尽きるよう。『三ぶん』では東銀座時代の常連さんに「変わってないね」と喜んでもらい、『三分亭』では新しい楽しみ方を提供できるよう、工夫を凝らしたそうです。
新規オープンするお店では、メニュー以外にも考えるべきことがたくさんあります。お店を運営するために必要なことを、サービス面など含め、全て一から検討します。こうした経験は、将来的に自分がオーナーとして店を持ちたい人にとって貴重な経験となるでしょう。
一方で、新たにオープンするお店だからこその苦労もありました。
「自分が思い描いていた客単価やコンセプトと、実際の状況は違うと感じました。売れ筋になるだろうと思って用意したメニューが、それほど出ないこともあって。だからこそメニューは常に試行錯誤しています。大変ではありますが、やりがいを感じる部分でもあります」
他にも、どんな機材が必要か事前にシミュレーションして用意したものの、結局使わないものが出てきたり、逆に足りないものも出てきたとのこと。
続いて、移転リニューアルオープンと新規オープンに携わった石原料理長に、新しいお店でリピーターを獲得するために必要なことを伺いました。
「大切なのは、お客様に“また来店したい”と思わせる“店舗力”。料理の味はもちろん、居心地の良さやお店の清潔感、スタッフのサービスなど、総合的な面での向上が求められます」
オープニング店舗は、試行錯誤を繰り返しながら魅力的なお店へと成長させていくもの。この経験は、飲食業界のみならず、さまざまな方面でいかせる貴重な経験となるでしょう。
和食料理人に求められるものとは
次に、第一線で活躍する石原料理長に、和食料理人としての心構えを伺いました。
「若いうちは料理のことを考えるだけで、いっぱいいっぱい。ただ、カウンターで料理を作るうえでは、身だしなみや立ち居振る舞いも重要です。厨房を常にきれいにして、お客様に気を配る必要があります」
カウンターに立つとお客様から話を振られることも増え、政治経済の話題について話すことも。日頃から幅広い教養を深めてこそ、真に求められるサービスを提供できるのでしょう。
「最近はネットで、料理や素材について調べられます。だから積極的に情報収集をして、自分の足で色々なものを見ないといけないなと感じています」
市場に入ったり、料理人仲間と情報交換をしたりと、石原料理長は休日でも常に料理に関することを考える毎日を送っているそうです。
さらに、今後の目標について教えていただきました。
「料理長という立場で、80歳くらいまで現場に立ち続けたいです。そこまで続けるには、料理を作ることが楽しいと思えないとダメ。自分で考えた料理がお客様においしいと言ってもらうことが喜びなので、今後もどんな料理で満足してもらえるのか考え続けていきたいです」
最後に、石原料理長から和食料理人を目指す方へ、メッセージをいただきました。
「料理人は、自分で考えた料理をお客様に評価してもらうことが醍醐味。早く料理長になって、自分の料理を出したいという思いが大切です。下積み時代も『自分ならもっとこうする』など考え続け、色々な引き出しを持てるように試行錯誤してみてください」
石原将人(いしはら まさと)
「ヒルトン東京」「京王プラザホテル」などのホテルで和食を学び、割烹銀座『中嶋』ほかで料理長を経験後、東京ミッドタウン日比谷のオープンに伴い、2018年3月より『三ぶん』『三分亭』の料理長に就任。『三ぶん』『三分亭』
住所/東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷 3F電話番号/03-6811-2381
定休日/施設に準ずる
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