2023/8/3
飲食店スタッフの定期的な検便。必要な理由や受けない場合のリスクは?
目次
飲食店で働くうえで、欠かせないことの1つに定期的な検便があります。なぜ飲食店スタッフは検便をする必要があるのでしょうか。検便を行う理由や飲食店での検査頻度、検便を受けなかった場合のリスクなどについて解説します。
画像素材:PIXTA
飲食店スタッフはなぜ検便が必要?
飲食店で検便が不可欠なのは、感染症が他のスタッフやお客様に広がるのを防ぐためです。スタッフの中にサルモネラや赤痢菌、パラチフス菌、腸管出血性大腸菌O157、チフス菌などの細菌やウイルスの保菌者が万が一いた場合、調理や接客を通して他の人にもうつしてしまう可能性があります。
そうした細菌やウイルスは、体調を崩しておらず健康に見えるときでも保菌している場合があります。感染や食中毒が拡大する前に検査で発見でき、保菌者が自宅待機するなど適切な対策をとれれば、店舗の信頼や売上を損ねる事態に発展するのを防ぐことができるはずです。
そうした細菌やウイルスは、体調を崩しておらず健康に見えるときでも保菌している場合があります。感染や食中毒が拡大する前に検査で発見でき、保菌者が自宅待機するなど適切な対策をとれれば、店舗の信頼や売上を損ねる事態に発展するのを防ぐことができるはずです。
飲食店スタッフが行う検便の検査内容
たいていの飲食店では、定期的に検便を実施しています。これは、食中毒などが発生した時に、検便の検査記録がないとスタッフの衛生管理を追求されるためです。調理をするスタッフと配膳・接客をするスタッフ、どちらも検便を受ける必要があります。
飲食店を対象にした検便の一般的な検査項目は「サルモネラ属菌」「赤痢菌」「パラチフス菌」「チフス菌」「ノロウイルス」「腸管出血性大腸菌O157」など。管轄の自治体や保健所によって項目が異なり「腸管出血性大腸菌O26」や「腸管出血性大腸菌O111」を調べる場合もあります。
飲食店を対象にした検便の一般的な検査項目は「サルモネラ属菌」「赤痢菌」「パラチフス菌」「チフス菌」「ノロウイルス」「腸管出血性大腸菌O157」など。管轄の自治体や保健所によって項目が異なり「腸管出血性大腸菌O26」や「腸管出血性大腸菌O111」を調べる場合もあります。
検便の頻度は店舗によりさまざま
検便に関しては法律による頻度の規定がなく、飲食業界で統一のガイドラインやルールもありません。検査の回数やルール、ガイドラインは、保健所の指導に従いながら、会社ごとに決めることができます。
検査の頻度は「毎月2回」「月に1度」「半年に1回」「1年に1回」など、店舗や企業によりさまざまです。就職や転職を考えている店舗での検便の頻度を知りたい時は、応募や面接などの際に確認しましょう。
検査の頻度は「毎月2回」「月に1度」「半年に1回」「1年に1回」など、店舗や企業によりさまざまです。就職や転職を考えている店舗での検便の頻度を知りたい時は、応募や面接などの際に確認しましょう。
保健所から指示を無視して提出しないとどうなる?
画像素材:PIXTA
食品衛生法では、飲食店スタッフに検便が義務づけられているわけではありません。ただし、厚生労働省の「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」には「保健所から検便を受けるべき旨の指示があったときには、食品取扱者に検便を受けさせること」と明示されています。
また、検便の回数を条例などで規定している、検査記録の提出を義務づけているといった自治体も多数あります。保健所から指示があった場合は、必ず検便を受けましょう。
検便を拒否して保菌者だと気づかずに業務を続けると、感染拡大や食中毒の発生につながるリスクがあります。最悪の場合、店舗の営業停止にまで発展する可能性も。早期に感染を発見するために、検便も仕事のひとつだと認識し、きちんと検査を受けましょう。
また、検便の回数を条例などで規定している、検査記録の提出を義務づけているといった自治体も多数あります。保健所から指示があった場合は、必ず検便を受けましょう。
検便を拒否して保菌者だと気づかずに業務を続けると、感染拡大や食中毒の発生につながるリスクがあります。最悪の場合、店舗の営業停止にまで発展する可能性も。早期に感染を発見するために、検便も仕事のひとつだと認識し、きちんと検査を受けましょう。
生理中や服薬後、バリウムを飲んだ後でも検査は可能?
潜血を確認する大腸ガン検査とは異なり、飲食店で行うのは腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌、赤痢菌などの細菌をチェックする検便のため、生理中でも実施できます。細菌の有無を確認する検便は抗生物質(抗菌剤)の影響を受けるため、服用した場合は最低でも48時間は空けてから便を採取しましょう。バリウムを飲んだ時は、白っぽい便が出なくなった後に採便してください。
ほとんどの店舗では自主的に検便をしていますが、実施や管理の費用がかかるため、行っていない店舗もあります。ただし、定期的な検便をしていない店舗でも、保健所から要請があれば応じる必要があり、飲食店で働くうえで検便を避けるのは難しいのが現状です。検便は安全な店舗運営を維持するための業務の一部だととらえ、きちんと協力しましょう。
ほとんどの店舗では自主的に検便をしていますが、実施や管理の費用がかかるため、行っていない店舗もあります。ただし、定期的な検便をしていない店舗でも、保健所から要請があれば応じる必要があり、飲食店で働くうえで検便を避けるのは難しいのが現状です。検便は安全な店舗運営を維持するための業務の一部だととらえ、きちんと協力しましょう。
アルバイトの求人一覧
正社員の求人一覧
この記事の著者
小川郁恵
ライター
スポーツ用品業界紙の記者を経て、フリーのライターに。飲食業界に特化した求人誌や、飲食店の紹介、結婚式場の情報サイト、飲食店のコンサルティング関連などさまざまなジャンルで、飲食業界の取材や記事執筆に携わってきた。ほかにも、観光スポットや温泉宿、求人広告、モデルルームをはじめ、幅広い分野の取材・執筆を担当。群馬県出身・在住。