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◎おすすめ料理:マリネ、炒め物、ドレッシング
◎おすすめ料理:スープ、鍋料理、蒸し料理
◎おすすめ料理:サラダ、ソース、肉・魚料理のトッピング
◎おすすめ料理:和え物、タレ、炒め物の隠し味
◎おすすめ料理:炒め物、サラダ、混ぜご飯
エスニック料理とは?その定義から学ぶ、繁盛店を作る「新・郷土料理」開発のヒント
目次
- なぜ今、エスニック料理に学ぶのか?
- なぜ人々はエスニック料理に惹きつけられるのか
- 「非日常感」
- 「エスニック料理」の本質は、日本の「郷土料理」と同じ
- 日本のエスニックブーム変遷史
- 近年の動向:専門店の多様化と冷凍食品の普及
- 世界の食文化に学ぶ
- 「アジアン料理」との違いは?
- 五味の調和と地域性に見る「メニューバランス」の妙
- タイ料理(応用):卓上調味料「クルアンプルン」に見る顧客体験の向上
- ベトナム料理:文化の融合と健康志向に見る「付加価値」の作り方
- ベトナム料理(応用):南北の味の違いを「選べる楽しさ」に繋げる
- ユネスコ無形文化遺産に学ぶ「ブランド価値」の高め方
- メキシコ料理(応用):「モレ」に見る、手間暇を価値に変えるストーリーテリング
- 実践!エスニック思考で生み出す
- 参考:日本×エスニック 今すぐ試せるペアリングガイド
- ステップ3:「物語」と「提供方法」で価値を最大化
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なぜ今、エスニック料理に学ぶのか?
エスニックという単語は「民族的」という意味を持ちます。よってエスニック料理は、「民族料理」を指す言葉です。 広義では、世界各国の郷土料理はすべてエスニック料理だといえます。とはいえ一般的には、専門的な調理法で作られている、スパイスやハーブといった地域に根差した調味料や食材が使われているという点がエスニック料理の大きな特徴とされています。
日本でエスニック料理と認識されている料理には、インドやタイ、ベトナムなどのアジアン料理をはじめ、メキシコやトルコ、ペルーなどの南米料理、トルコやエジプトなどの中東料理などがあります。
近年では、エスニック料理店以外の飲食店でも、スパイシーなメニューやパクチーなどのハーブを使ったメニューを見かけることが多くなりました。洋風のメニューや和風のメニューの中にそういった一品があると、お客さまの目に留まりやすいことが理由だと考えられます。さらに、エスニック料理を取り入れると、メニューのマンネリ化を打破することもできるでしょう。
まずは各エスニック料理の基本的なメニューや、よく使われるスパイスやハーブなどを見ていきましょう。
日本でエスニック料理と認識されている料理には、インドやタイ、ベトナムなどのアジアン料理をはじめ、メキシコやトルコ、ペルーなどの南米料理、トルコやエジプトなどの中東料理などがあります。
近年では、エスニック料理店以外の飲食店でも、スパイシーなメニューやパクチーなどのハーブを使ったメニューを見かけることが多くなりました。洋風のメニューや和風のメニューの中にそういった一品があると、お客さまの目に留まりやすいことが理由だと考えられます。さらに、エスニック料理を取り入れると、メニューのマンネリ化を打破することもできるでしょう。
まずは各エスニック料理の基本的なメニューや、よく使われるスパイスやハーブなどを見ていきましょう。
なぜ人々はエスニック料理に惹きつけられるのか
最近ではスーパーマーケットにアジア・エスニック系の食材や調味料が並んでいますし、カップ麺などのインスタント食品にもエスニック料理が取り入れられています。
エスニック料理のブームの背景には、大きく分けて、次のような理由があると考えられます。
・食を通じて「非日常感」が得られる
・ハーブやスパイスは目新しく、口にすると新たな美味しさに出会える
・野菜やハーブが多くて健康的な食事ができる
エスニック料理のブームの背景には、大きく分けて、次のような理由があると考えられます。
・食を通じて「非日常感」が得られる
・ハーブやスパイスは目新しく、口にすると新たな美味しさに出会える
・野菜やハーブが多くて健康的な食事ができる
「非日常感」
単に美味しさだけでなく、食を通じて「異国感」「非日常感」や、その料理が持つ「文化」や「背景」を感じることができるのがエスニック料理の人気の理由。話題性もあり「旅行には行けないけれど、ちょっとした非日常を味わいたい」という心理を刺激することができるジャンルといえるでしょう。「珍しいから一度食べに行ってみよう」そんなきっかけでエスニック料理にハマる人も多いようです。
「エスニック料理」の本質は、日本の「郷土料理」と同じ
前述の通り、「エスニック料理=民族料理」であり、その土地の風土と歴史から生まれた「郷土料理」です。人々の知恵が詰まった、健康的な料理ともいえます。
例えば、タイ料理では、代謝を高めるスパイスやハーブ、野菜、高たんぱく・低脂質な鶏むね肉やエビなどを使う料理が多数。健康的でカロリーを抑えた食事をすることができます。 ベトナム料理も野菜やハーブをたっぷり使ったメニューが多く、「健康に良さそう」というイメージを抱く消費者も少なくありません。
エスニック料理は決して特別な料理ではなく、郷土料理であること、そして「非日常」「健康」「ダイエット」「代謝アップ」といった日本人が好むキーワードと相性が良いことは、メニュー開発に向けて抑えておきたい点です。
例えば、タイ料理では、代謝を高めるスパイスやハーブ、野菜、高たんぱく・低脂質な鶏むね肉やエビなどを使う料理が多数。健康的でカロリーを抑えた食事をすることができます。 ベトナム料理も野菜やハーブをたっぷり使ったメニューが多く、「健康に良さそう」というイメージを抱く消費者も少なくありません。
エスニック料理は決して特別な料理ではなく、郷土料理であること、そして「非日常」「健康」「ダイエット」「代謝アップ」といった日本人が好むキーワードと相性が良いことは、メニュー開発に向けて抑えておきたい点です。
日本のエスニックブーム変遷史
日本では過去に、定期的にエスニックブームが起きています。
■1980年代の新しい食文化
1980年代に本格的なエスニックブームが到来。未知のハーブやスパイスが、新しいもの好きの層に受け入れられました。■1992年 タイ料理レストラン「コカレストラン」がオープン
日本でアジア・エスニック料理がさらにブームとなったのは1990年代。タイの一流レストラン「コカレストラン」が1992年に日本で最初の店舗をオープンさせたあたりから急速に認知度が高まりました。■2002年 タイ料理レストラン「マンゴツリー」の東京店がオープン
1994年にタイ・バンコクで創業した人気のレストラン「マンゴツリー」。世界で3店目となる店舗が日本に進出し、その後世界各国にも開店しました。現在はカフェ業態も誕生し、都内を中心にチェーン展開しています。洗練された空間で本格的なタイ料理を提供する店の登場により、エスニック料理のイメージが一層洗練されました。■2014年 日清「カップヌードル トムヤムクンヌードル」が大人気に
1990年代以降のエスニックブームから、日本でも少しずつアジア・エスニック料理が広がりました。その結果、インスタント麺業界もエスニック料理に着目。日清の「カップヌードル トムヤムクンヌードル」は2014年に大ヒットを記録しました。この商品により、トムヤムクンの知名度が飛躍的に向上。エスニック料理が専門店だけの特別なものではなく、家庭で手軽に楽しむ日常食となる転換点になりました。■2016年 空前のパクチーブーム到来
言わずと知れた最近のパクチーブームは、エスニック料理が日本で独自に歩みはじめたことを物語る象徴的な現象です。ブームの背景には、パクチーの健康効果が注目されたことや、アジア・エスニック料理を10代の頃から食べてきた世代が抵抗感なくパクチーを受け入れたことなどがあるといわれています。ただパクチーを山盛りにする食べ方はタイなどの現地の人からは異様で、「そんな食べ方はしない!」という声もあるのだとか……。近年の動向:専門店の多様化と冷凍食品の普及
近年は、もともと人気の高かったタイ・ベトナム料理だけでなく、より多様な国の専門店が登場しています。また、冷凍技術の進化により、家庭で本格的な味を楽しめる商品が増加し、さらに市場は拡大。飲食店でもメニューに取り入れやすくなっています。
「エスニック料理をメニューに」と考えると、構えてしまいがちですが、ヒット食材やインパクト食材を使った、簡単メニューで注目を集めることもできそうです。
「エスニック料理をメニューに」と考えると、構えてしまいがちですが、ヒット食材やインパクト食材を使った、簡単メニューで注目を集めることもできそうです。
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世界の食文化に学ぶ
続いて、エスニック料理の特徴に着目し、メニューやお店づくりのヒントを探ってみましょう。
「アジアン料理」との違いは?
「エスニック料理」と混同されがちなのが「アジアン料理」でしょう。前述したように「エスニック」は民族という意味なので、アジアン料理はエスニック料理の一種といえます。
定義上は中国料理や韓国料理、和食も「アジアン料理」に入ります。ですが日本では、アジアン料理といえば東南アジアの料理を指すのが一般的です。
定義上は中国料理や韓国料理、和食も「アジアン料理」に入ります。ですが日本では、アジアン料理といえば東南アジアの料理を指すのが一般的です。
五味の調和と地域性に見る「メニューバランス」の妙
タイ料理は「甘・酸・塩・辛・旨」が一度に味わえるのが特徴です。5つが絶妙なバランスを醸し出し、さらにパクチーなどのハーブの香りが美味しさを引き立てます。シンプルな味付けが多い和食と比べると、タイ料理は一見パンチの強い印象ですが、この風味のバランスの良さが飽きずに食されている理由なのです。また、調理法も蒸す・茹でる・焼くが主で、油っぽさを感じさせません。コースやセットメニューを考える際、バランスを整えるためのお手本になるかもしれません。
タイ料理(応用):卓上調味料「クルアンプルン」に見る顧客体験の向上
クルアンプルンとは、「自分好みの味に調えるための調味料のセット」のこと。タイの食文化では、料理が出てきたあとにクルアンプルンで自分の舌に合わせて味を整えることが一般的で、次の4つが定番です。
・ナムプラー(魚醤):塩気と旨味を足す調味料
・唐辛子(プリック):辛さを調整する乾燥唐辛子の粉
・砂糖:甘みを調整する
・酢(ナムソム):唐辛子入りの場合もあり
例えば、麺料理やチャーハンなどは、甘さ・辛さ・酸味・塩味を加減して食べます。自分好みの味わいにできるだけでなく、“味変”を楽しめるというメリットもあります。
タイ料理だけでなく、和食でも料理によっては唐辛子や山椒、柑橘の香りなどの薬味が使われています。スパイスや薬味のセットを開発し、食事の楽しさを演出してみるのもいいかもしれません。
・ナムプラー(魚醤):塩気と旨味を足す調味料
・唐辛子(プリック):辛さを調整する乾燥唐辛子の粉
・砂糖:甘みを調整する
・酢(ナムソム):唐辛子入りの場合もあり
例えば、麺料理やチャーハンなどは、甘さ・辛さ・酸味・塩味を加減して食べます。自分好みの味わいにできるだけでなく、“味変”を楽しめるというメリットもあります。
タイ料理だけでなく、和食でも料理によっては唐辛子や山椒、柑橘の香りなどの薬味が使われています。スパイスや薬味のセットを開発し、食事の楽しさを演出してみるのもいいかもしれません。
ベトナム料理:文化の融合と健康志向に見る「付加価値」の作り方
ベトナムは、中国の文化やフランスの植民地統治時代があり、食文化もそれぞれの影響を強く受けています。ベトナム料理に欠かせない調味料のヌクマムも中国が発祥といわれており、また、フランスパンを使ったバインミーは、ベトナム国内だけでなく、日本でも一定の人気があり、異文化をミックスした料理の成功例でしょう。ベトナム料理は、野菜やハーブを多用し、味わいもタイ料理などと比べるとシンプルなのでアレンジしやすいのではないでしょうか。ベトナム料理と日本食を組み合わせたメニューを取り入れてみれば、「異文化ミックス」+「健康志向」という付加価値を提供できそうです。
ベトナム料理(応用):南北の味の違いを「選べる楽しさ」に繋げる
日本でも、関東や東北は塩辛い味、中部や関西では甘塩っぱい味が好まれる傾向がありますが、例えばベトナム料理も、北部ではあっさり、中部ではスパイシー、南では甘めといった味わいの地域差があります。こういった味わいの違いをお客様が選べるバリエーションとしてメニューに取り入れ、「選べる楽しさ」を提供してみてはいかがでしょうか。
ユネスコ無形文化遺産に学ぶ「ブランド価値」の高め方
2024年、「トムヤムクン」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。トムヤムクンは「世界3大スープ」のひとつともいわれ、エビやレモングラス、ガランガル(しょうがの一種)の根、ライムの葉、エシャロット、ナンプラーやココナッツミルク、ハーブなどで風味づけたスープ。酸味、辛味、甘味、わずかな苦味なども感じる複雑な味わいですが、地域や家庭、お店によってその味わいが異なることから、日本の味噌汁にもなぞらえられる一品です。
ユネスコ無形文化遺産への登録に際しても「地元の食材に関する伝統的な知識を体現した料理」であることが評価されました。どれだけ美味しいものであっても、農耕儀礼や共同体の習慣まで含めた「食文化全体」が評価されなければユネスコ無形文化遺産には登録されません。料理の背景にある物語が強力なブランド価値を生む例といえそうです。
ユネスコ無形文化遺産への登録に際しても「地元の食材に関する伝統的な知識を体現した料理」であることが評価されました。どれだけ美味しいものであっても、農耕儀礼や共同体の習慣まで含めた「食文化全体」が評価されなければユネスコ無形文化遺産には登録されません。料理の背景にある物語が強力なブランド価値を生む例といえそうです。
メキシコ料理(応用):「モレ」に見る、手間暇を価値に変えるストーリーテリング
メキシコ料理の「モレ」は香辛料やナッツ類、スパイス、チョコレートなど多彩な材料を使用し作るソース料理です。特に有名なのは「モレ・ポブラーノ(Mole Poblano)」で、七面鳥や鶏肉にかけて食べます。ソースの原料は多い場合は30種類以上にもなり、原料を下ごしらえしてから、炒める、ミキサーにかける、煮るなどの工程を経て出来上がる、大変手間暇がかかるソースです。ただしその分お祝いの席などで食べられることが多く、特別感のあるメニュー。現地の外で食べられるとしたらとても貴重なものです。
モレに限りませんが、ほかではなかなか食べられないエスニック料理を希少性のある物語として伝えて、高価格帯メニューとして提供してみるのはいかがでしょうか。
モレに限りませんが、ほかではなかなか食べられないエスニック料理を希少性のある物語として伝えて、高価格帯メニューとして提供してみるのはいかがでしょうか。
実践!エスニック思考で生み出す
ここからは、以下のように具体的なメニュー開発のステップを3段階で解説します。
・自店の「地域資源」を見つける
・「地域資源」と「エスニック」をかけ合わせる
・「物語」と「提供方法」で価値を最大化
新橋にあるペルーの食文化を発信するレストラン「荒井商店」の荒井隆宏シェフのレシピに「カツオのセビーチェ」があります。ペルーの郷土料理「セビーチェ」は、魚介類を玉ねぎやトマトなどの野菜と調味料でマリネした料理。白身魚を使うことが多いですが、高知の旬のカツオを使ったレシピにアレンジしています。
世田谷に本店を置く本格エスニックラーメン店「バサノバ」では、グリーンカレー、トムヤムクン、ラクサをベースにするラーメンを提供しています。人気メニューは、国産の干し椎茸、日高昆布、煮干し、鰹節をふんだんに使用した濃厚な和風出汁と、自家製のグリーンカレーペースト、有機豆乳を掛け合わせたグリーンカレーソバ。しっかりとしたエスニックな味わいがありながらも、日本人に馴染みのある和風出汁が入っているため、リピーターにつながっているのでしょう。
山形の郷土料理、芋煮は、主役である里芋を牛肉と醤油、または豚肉と味噌の組み合わせで煮込んでつくります。食材が持つ旨味を引き立てる、まろやかな味が特徴的です。 近年、料理番組やレシピサイトでは、里芋を鶏手羽などと一緒にココナッツミルクで煮込み、パクチーを散らして仕上げる料理が紹介されています。これはまさにタイのスープ料理「トムカーガイ」。和食の煮物も、視点を変えれば、エスニックな料理に仕上げることができるのです。
のっぺは新潟の代表的な家庭料理。「のっぺい汁」とは別物で、里芋などの野菜やきのこなどを干し貝柱や干しシイタケの戻し汁で煮た、とろみのある煮物です。お祝いの席ではサケやイクラをのせて仕上げることもあるそうです。これをカレー粉で仕上げると、スパイシーな一品に。
カレー粉は、香りや辛味を生み出す数種類の香辛料をブレンドしてつくられているため、配合を変えれば、独自の奥深い味わいに仕上げることができるでしょう。
・自店の「地域資源」を見つける
・「地域資源」と「エスニック」をかけ合わせる
・「物語」と「提供方法」で価値を最大化
ステップ1:自店の「地域資源」を見つける
地域の特産品や特定の生産者との繋がりが感じられることや、地元に伝わる調理法が取り入れられていることは、他店には真似できない強力な魅力になります。まずは気になる生産者を訪ねたり、地元のJAや道の駅に行き伝統野菜の情報を集めたりすることをおすすめします。ステップ2:「地域資源」と「エスニック」をかけ合わせる
「自店の地域資源(縦軸)」を見つけたら「エスニックの技法(横軸)」と掛け合わせたメニューを考えてみましょう。次のようなメニューやレシピ例があります。【ヒント1:食材を置き換える】
・高知のカツオ×ペルーのセビーチェ(柑橘マリネ)新橋にあるペルーの食文化を発信するレストラン「荒井商店」の荒井隆宏シェフのレシピに「カツオのセビーチェ」があります。ペルーの郷土料理「セビーチェ」は、魚介類を玉ねぎやトマトなどの野菜と調味料でマリネした料理。白身魚を使うことが多いですが、高知の旬のカツオを使ったレシピにアレンジしています。
【ヒント2:エスニック食材に和をプラスする】
・ラーメン×グリーンカレー世田谷に本店を置く本格エスニックラーメン店「バサノバ」では、グリーンカレー、トムヤムクン、ラクサをベースにするラーメンを提供しています。人気メニューは、国産の干し椎茸、日高昆布、煮干し、鰹節をふんだんに使用した濃厚な和風出汁と、自家製のグリーンカレーペースト、有機豆乳を掛け合わせたグリーンカレーソバ。しっかりとしたエスニックな味わいがありながらも、日本人に馴染みのある和風出汁が入っているため、リピーターにつながっているのでしょう。
【ヒント3:アジア圏で重宝されるイモ類に着目】
・山形「芋煮」×タイのトムカーガイ山形の郷土料理、芋煮は、主役である里芋を牛肉と醤油、または豚肉と味噌の組み合わせで煮込んでつくります。食材が持つ旨味を引き立てる、まろやかな味が特徴的です。 近年、料理番組やレシピサイトでは、里芋を鶏手羽などと一緒にココナッツミルクで煮込み、パクチーを散らして仕上げる料理が紹介されています。これはまさにタイのスープ料理「トムカーガイ」。和食の煮物も、視点を変えれば、エスニックな料理に仕上げることができるのです。
【ヒント4:香辛料にひと工夫を凝らす】
・新潟「のっぺ」×カレー粉のっぺは新潟の代表的な家庭料理。「のっぺい汁」とは別物で、里芋などの野菜やきのこなどを干し貝柱や干しシイタケの戻し汁で煮た、とろみのある煮物です。お祝いの席ではサケやイクラをのせて仕上げることもあるそうです。これをカレー粉で仕上げると、スパイシーな一品に。
カレー粉は、香りや辛味を生み出す数種類の香辛料をブレンドしてつくられているため、配合を変えれば、独自の奥深い味わいに仕上げることができるでしょう。
参考:日本×エスニック 今すぐ試せるペアリングガイド
■ 味噌 × ココナッツミルク
味噌の塩気と発酵香がココナッツの甘さとコクを引き締め、深みのあるクリーミーな味わいが生まれます。 ◎おすすめ料理:スープ、煮込み、シチュー、ディップ■ 醤油 × ナンプラー(魚醤)
共通の旨味成分が層を成し、醤油の丸みとナンプラーの鋭さが複雑な塩味と香りを作り出します。◎おすすめ料理:マリネ、炒め物、ドレッシング
■ 出汁 × レモングラス
出汁の深い旨味が、レモングラスの爽やかで柑橘系の香りを支え、清涼感と奥行きを両立できます。◎おすすめ料理:スープ、鍋料理、蒸し料理
■ 柚子胡椒 × コリアンダー(パクチー)
柚子胡椒のピリッとした辛さと爽やかな香りが、コリアンダーの独特な風味と共鳴し、鮮烈なアクセントに。◎おすすめ料理:サラダ、ソース、肉・魚料理のトッピング
■ 梅干し × 唐辛子
梅干しのシャープな酸味と塩気が、唐辛子の直接的な辛さを和らげ、爽快で後を引く辛味に変化させます。◎おすすめ料理:和え物、タレ、炒め物の隠し味
■ いぶりがっこ × バジル
いぶりがっこの燻香とポリポリとした食感が、バジルの甘く爽やかな香りと対比を生み、意外な調和をもたらします。◎おすすめ料理:炒め物、サラダ、混ぜご飯
ステップ3:「物語」と「提供方法」で価値を最大化
開発したメニューの価値を、お客さまにしっかりと伝えましょう。メニュー名はエスニック料理名のみではわかりづらいので、こだわりの食材や調理法も入れた簡単な説明を加えるとよいでしょう。写真やイラストがあると雰囲気が伝わるので、ぜひ一緒に用意してください。
SNSで共有する際も同様ですが、さらにスタッフの実食した感想などを入れるとリアルです。また、店の一押しかつオリジナルメニューになるので、スタッフ全員で共有しレシピやストーリーを説明できるようにしておきましょう。
エスニック料理からは、レシピだけではなく、土地の資源を活かす方法も学べます。ぜひ気になった料理や食材について調べてみてください。
SNSで共有する際も同様ですが、さらにスタッフの実食した感想などを入れるとリアルです。また、店の一押しかつオリジナルメニューになるので、スタッフ全員で共有しレシピやストーリーを説明できるようにしておきましょう。
エスニック料理からは、レシピだけではなく、土地の資源を活かす方法も学べます。ぜひ気になった料理や食材について調べてみてください。
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この記事の著者
若松真美
ライター
神奈川県在住ライター。女性向けライフスタイル、インバウンド、国内旅行、食などの分野で執筆や編集を経験。週末は東京下町や鎌倉などで飲み歩く。特に和食とエスニックが好き。
