「SNSで内部告発」はNG?従業員が自分の身を守れる、適切な告発手段とは
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適切な内部告発の方法「公益通報」
■公益通報を行える対象者
公益通報を行えるのは、不正があった事業者で働いている人、または1年以内に働いていた人に限られます。・労働者(パートタイム、アルバイト、派遣社員、公務員を含む)
・退職後1年以内の労働者
・取引先事業者(請負契約の相手方事業者、継続的な物品納入や清掃などの役務契約者など)
・役員(取締役、監査役など)
■公益通報となる告発内容
公益通報となる内容は、通報する者が働いていた「役務提供先」に関することで、国民の生命、体、財産、その他の利益の保護に関わる「対象法律」に要件根拠がある「通報対象事実」の範囲内となります。例えば飲食店で働く人では、以下のようなケースが考えられます。
・半年前に働いていたレストランで、店長が売上を横領しているのを見てしまった(「刑法」違反)
・アルバイトとして働いているケーキショップで、不適格な輸入果物を使った食品を販売していることを知ってしまった(「食品衛生法」の違反)
・役員を務める企業で残業代の未払いを隠蔽していることを知ってしまった(「労基法」違反)
・いつも出前を届けているバーで、暴行・脅迫の現場を見てしまった(「刑法」違反)
■公益通報となる通報先
公益通報と見なされるのは、以下の3つのいずれかへ通報した場合に限られます。・不正を見つけた事業者の「内部通報窓口」
・行政指導を行う「権限のある行政機関」
・社会的な意義を持つ「事業者外部機関」(マスコミ、消費者団体、事業者団体、労働組合など)
※競合企業への持ち込みは、競争地位など正当な利益を害する恐れがあるため除く
■公益通報の対象にならない代表的なケース
上記のように公益通報の対象は法で定められており、以下のケースは「対象外」となります。・パワーハラスメントやセクシャルハラスメント
・私生活上の法令違反行為
・「公益通報者保護法」施行(平成18年4月1日)より前に行った通報
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「公益通報者保護法」で守られる通報者の権利とは
公益通報者保護法は、通報を理由に不利益を被ることがないよう通報者を保護しています。■公益通報者保護法で守られる不利益な扱いの禁止
通報者が受ける次のような不利益な扱いは、法律で禁止されています。・通報を理由とした解雇や契約解除、解任
・通報を理由とした降格、減給、自宅待機命令、退職者への退職金不支給
・事業者が通報者へ損害賠償を請求すること
■内部通達制度の導入
従業員数が300人を超える企業には、内部通報制度の導入が義務付けられています。同時に、事業者の内部通達担当者には守秘義務が課され、違反した場合は30万円の罰金が課されます。事業所の不正・違法行為を通報する前の注意事項
■不正な利益の取得を主目的としていない
公益通報は「不正な利益の取得を目的としていないこと」が前提です。通報を手段に見返りを得る、対象事業者の社会的信頼を失墜させるといった不正な利益を得ることが主目的になっている通報は、公益通報に該当しません。■他人の正当な権利を尊重する
通報する内容には、第三者の個人情報や事業者の機密情報、国の安全に関わる情報が含まれている可能性があります。そのため、通報に際しては他者の正当な利益や公共の利益を害することのない振る舞いが求められます。■裁判での立証のために根拠を集めておく
公益通報者保護法に反していると判断された場合、通報者自ら行政や裁判所に出向き、解決を図ることになります。仮に裁判所の起訴手続きで真偽不明となると、求める保護を受けることはできません。主張する事実を裏付ける根拠を集めておくことが大切です。公益通報は、事業者の不正や違法行為を発見し、公共の利益と企業の信頼を守るには欠かせません。しかし、通報者として保護を受けるための要件が厳格に定められています。事業所での不正や違法行為を万が一目撃してしまったときには、行政機関や外部機関への通報に比べて通報者を保護する要件がやさしい、内部通報窓口への通報を検討してみましょう。自分の身を守るためにもSNSでの告発は避け、しかるべき機関に相談してください。
飲食店の内部告発 よくある質問
職場の不正を告発したい時、法律で守ってもらうにはどうすればいいですか?
「公益通報者保護法」で定められた要件を満たす「公益通報」を行う必要があります。具体的には、保護対象となる人(従業員など)が、対象となる法律違反(食品衛生法違反など)について、会社の内部窓口や行政機関などの決められた通報先へ報告することが必要です。
SNSで職場の不正を内部告発するのは、なぜ危険なのですか?
SNSでの告発は、公益通報の要件を満たさない可能性が高いです。また、内容に虚偽が含まれていなくても、会社の社会的信用を害したとして名誉毀損や威力業務妨害で訴えられるリスクがあります。自分の身を守るためにも、SNSでの告発は避けるべきです。
公益通報の対象となるのは、どのような内容ですか?
国民の生命や財産に関わる法律違反が対象です。例えば、飲食店の売上横領(刑法)、不衛生な食材の使用(食品衛生法)、残業代の未払い(労働基準法)などが該当します。
職場のパワーハラスメントやセクシャルハラスメントは公益通報の対象になりますか?
いいえ、残念ながら現在の公益通報者保護法では、ハラスメント問題は保護の直接的な対象にはなっていません。ハラスメントについては、労働局の相談窓口や弁護士など、別の専門機関に相談する必要があります。
不正の証拠がなくても通報はできますか?
通報自体は可能ですが、万が一会社と争いになった場合、通報者自身が事実を証明する必要が出てくる可能性があります。主張を裏付ける客観的な証拠(メール、写真、文書など)を、可能な範囲で集めておくことが、自分を守る上で非常に重要になります。
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