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2018/6/13

飲食店の無断キャンセル・ドタキャン対策。どうして発生する? どうすれば減る?

Photo by iStock.com/BrianAJackson
近年飲食店では、予約をしたお客様が連絡もせずに来店しない「無断キャンセル」や予約時間直前でキャンセルする「ドタキャン」の増加が問題になっています。飲食店では直前のキャンセルが起きると食材や人件費の無駄が発生します。だからと言って急に当日客で穴埋めすることは難しいため、飲食店にとっては大きな損害となります。

「無断キャンセル」や「ドタキャン」はなぜ発生するのでしょうか。飲食店はどんな対策を講じればよいのでしょうか。

無断キャンセル・ドタキャンが増えている理由

まず、「無断キャンセル」と「ドタキャン」の違いについて確認します。無断キャンセルは、連絡をせずに来店もしないことです。一方のドタキャンは「土壇場(どたんば)キャンセル」の略語、つまり予約日時直前のキャンセルです。いずれもお店に大きな影響を与えるものですが、ドタキャンは直前でも連絡があるだけ店側も対応策がとれるため、無断キャンセルのほうがより影響が大きいと言えるでしょう。

では、このような無断キャンセルがなぜ増えているのでしょうか? 最も多いケースとして考えられるのが、WEBやアプリで簡単に予約がとれるようになったため、予約したことをうっかり忘れてしまうケースです。特に、大人数の宴会を任された幹事が複数のお店を予約し、お店が決定した後も片方のお店にキャンセルの連絡を入れ忘れるというケースが多いようです。

また、体調が急に悪くなったり、トラブル等に巻き込まれ連絡ができなかったといった理由もあり、後者の場合は致し方ありません。いずれにしても、悪意のある無断キャンセルは少ないと言われています。

無断キャンセルによる飲食店の損害

   Photo by iStock.com/Steve Debenport

では、実際に無断キャンセルやドタキャンをされたとき、飲食店にはどのような損害がでるのでしょうか。実際に見込んでいた売上だけではなく、予定の来店人数に備えて配置したスタッフの人件費、食材のロスなど、お店の規模によってはかなりの損害になります。にもかかわらず、これらの損害をお客様に直接請求して払ってもらうことは難しいのが現状です。

過去には、飲食店が悪質な無断キャンセルをした人に対して損害賠償請求の裁判を起こし、請求が認められる判決が出たケースはあるようです。とはいえ、裁判を起こすことは弁護士などの費用はもちろんのこと、裁判の手続きにかかる時間や具体的な損害額の裏付けを立証する手間もかかることから、現実的な対応策としては考えにくいでしょう。

しかし、何もできないからといって、腹いせに自店のSNSアカウントで無断キャンセルやドタキャンについての書き込みをするのはやめたほうが無難です。むやみにお客様を悪者扱いすると、かえってお店の評判を悪くしてしまうことも。

このように、無断キャンセルやドタキャンをされた場合の対応策となると難しいところですが、そもそも無断キャンセルをされないためにできる対策はあります。無断キャンセルをできない、無断キャンセルをしたら申し訳ないと思われるサービスや雰囲気作りについて有効な施策を紹介します。

今すぐできる! 無断キャンセルを防ぐ対策

   Photo by iStock.com/PeopleImages

前述した通り、無断キャンセルの多くは、予約したことをうっかり忘れてしまったことによるものです。ということは、うっかり忘れないような仕組みを作ることで、ある程度無断キャンセルやドタキャンを防ぐことができるのではないでしょうか。

例えば、予約完了の時点で確認メールを送り、1週間前にリマインドメール、前日に確認の電話をすると効果的です。来店までに何度か連絡がきている上に、予約日前日にお店から電話がかかってきて「スタッフ一同〇〇様のご来店をお待ちしております!」と言われると、うっかり忘れたとは言えません。

これらは「うっかり忘れ」を防ぐだけはありません。予約はキャンセルにならなくても前日に人数を変更するケースは多くあります。その場合に、店側から連絡をすることで印象が良くなり、店側も人数変更を把握できる効果もあります。

また、予約受付の際に、来店日時と人数だけでなく、コースや予算・利用用途など詳細情報をヒアリングすることも効果があります。仮に席だけの予約を考えていたとしても、ヒアリングを重ねることでお客様の印象に残り、キャンセルできない・したら申し訳ないという想いにつながります。

こんなケースもあります。客単価の高い完全予約制の飲食店では、予約の3日前にお客様へ電話連絡の上、「当日キャンセルの場合はキャンセル料をいただきます」と伝えているようです。実際にキャンセル料を徴収するのかは定かではありませんが、ある種のけん制にはなりそうです。

ITツールを使った無断キャンセルを防ぐ対策

最近ではITツールを使って無断キャンセルやドタキャンを防ぐ対策もあります。例えば、予約をした人に対して予約日前日にSMSで通知を送るサービス「予約お知らせくん」は、無断キャンセルの防止に一役かってくれそうです。そのほか、飲食店がTwitter、LINEを利用しているのであれば、お客様と日頃からやり取りを通じ仲良くなっておくことも効果的です。この場合、それでもドタキャンが発生したら、それも告知して別のお客様の来店につなげるといった利用方法も考えられます。

飲食店の予約受付サービスの中には、「事前決済」や料金の一部を預かっておく「デポジット機能」、無断キャンセル時の「見舞金サービス」などを行う企業もあります。これらの多くは有料のサービスですが、あまりに無断キャンセルの影響が大きいのであれば、これらのサービスを使うことを検討してもよいでしょう。

今回は、飲食店の無断キャンセルやドタキャン対策について紹介しました。「客側が悪意をもって無断キャンセルしているわけではない」という前提で、自店では何が最も有効的なのかを考え、試してみてください。無断キャンセルやドタキャンで困ることを減らせるかもしれません。

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