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  5. ソムリエの仕事内容は?ワインのスペシャリストに必要な知識や適性、将来性もご紹介!
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ソムリエの仕事内容は?ワインのスペシャリストに必要な知識や適性、将来性もご紹介!

目次

居酒屋などでも気軽にワインが楽しまれるようになり、ワイン好きがどんどん増えている昨今。
「大好きなワインの素晴らしさを広めたい」
「ワインの魅力をもっと深掘りしたい」
「趣味で深めたワインの知識を仕事につなげたい」
そんな人に最適な仕事が、ワインのスペシャリスト【ソムリエ】です。

では、実際にソムリエはどのような仕事をしているのでしょうか。
今回は、ソムリエの具体的な仕事内容とともに、その魅力ややりがい、適性や将来のキャリアなどをご紹介。憧れの仕事【ソムリエ】に対する解像度を上げて、本気で目指してみませんか?

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ワインのスペシャリスト【ソムリエ】の仕事内容

ワインを扱う仕事としてもっともその存在が知られているソムリエ。
ではソムリエは実際、現場でどのような仕事をしているのでしょうか。
画像素材:PIXTA

料理と合うワインのペアリングを提案する

料理とワインの見事なマリアージュをお届けすることは、ソムリエの代名詞的な仕事。
シェフが作る料理の素材や風味、テクスチャ―などを深く理解し、魅力を最大限に引き立て合うワインを数ある銘柄の中から選んでお客様に提案します。

コース料理全体を俯瞰したり、一皿ごとにペアリングを提案したり、洋食はもちろん和食とのペアリングも提案したり。
料理を先に考えてワインを合わせる場合もあれば、ワインのために料理を考えることもあり、その際にはソムリエがメニュー考案を行うこともあります。産地や香り、酸度や舌触り、温度といったワインの情報のほか、料理への理解も求められる、ソムリエの知識と感覚、センスが大いに発揮される場面です。

お客様の好みや状況に合うワインを提案する

ワインは同じ銘柄でも、作られた年や保管年数で味わいや風味が大きく変わります。また、産地や銘柄で価格も大きく異なります。
料理に合うのはもちろんですが、お客様の目的や好みに合うワインを提案することもお客様満足度を高めるためには大切です。
誰とどのような目的でワインを楽しむのか、どのような価格帯が望ましいのか、リピーターの方なら以前はどのようなワインを好まれていたのかなど。目の前のお客様にふさわしい1本をご提案するためには、ワインの知識とともに接客の中で状況や好み、予算などを聞き出す力や記憶力も重要になります。

ワインサービスを伴う接客

ワインを提案したら、次は提供です。お客様の前でボトルを開栓し、必要に応じてデキャンタージュ(ワインを別のガラス容器に移し替えること)を行い、適切な温度やタイミングでグラスに注ぎます。

抜栓やテイスティング、サーブなどの技術が求められることはもちろん、お店のレベルが高いほど一連の動作に落ち着きや美しさが求められます。
ボトルやグラスの持ち方、注ぎ方のほか、香りを十分に楽しめる適切な量など。ワインに対する知識を駆使しつつ、丁寧な言葉遣いやマナーも大切にした振る舞いが重要です。

また、ワインの味わいや特徴などを質問されたらお客様に伝わる言葉で的確に答えるなど、お客様と適切な距離感を保ったコミュニケーションも大切です。
ソムリエの優雅さと親しみやすさのある接客が、お客様がリラックスしてワインを楽しむ空間を演出するのです。

ワインの仕入れとワインリストの作成

ソムリエの多くは、取り扱うワインの仕入れや管理も担当しています。
お店のコンセプト、料理のスタイル、客層、季節、流行など、幅広く考慮してワインを選定して買い付けることは、最善の提案をするために重要な仕事です。
そのため、新しいワインやワイナリー(醸造所)をリサーチしたり、仕入れ先との交渉を行うことはもちろん、時には産地まで買い付けに行く必要もあります。

そして自分自身が買い付けたワインをもとに、ワインリスト(ワインのメニュー)を作成します。
ワイン愛好家が多いのか、リーズナブルなワインが必要なのか、国産ワインが望まれるのか、ナチュラルワインが好まれるのかなど。
お店にふさわしいワインリストを、地域や価格帯、味わいなどのバランスを考え作成することは、お店のテイストや格などにも関わる大切な仕事です。

ワインの保管と品質管理

ワインは保管する際の温度や湿度、保管方法で味が変わってしまう繊細な飲み物です。そのため、在庫の品質管理を徹底する必要があります。
まずはワインセラーの在庫を管理したうえで、適切な銘柄や本数を発注。
入荷したワインの品質が劣化しないように、それぞれのワインに適した温度・湿度・保管方法を管理することは、良いワインを仕入れて、それを最高の状態で提供するためには欠かせない仕事です。

グラスの管理やワインイベントの企画など

ソムリエはワインに関わるあらゆる仕事を行います。
そのためワインを注ぐデキャンタやグラスの管理も重要です。
ワインには温度や香りなどに応じて、それぞれ適切な形のグラスがあります。仕入れたワインにふさわしいグラスが不足している場合には新しく調達したり、開店前や閉店後にグラスやコルク抜きなどの道具をピカピカに磨き上げるのも、最高の状態でワインを提供するために必要な仕事です。

また、ワインを広めるためのイベントを企画するソムリエもいます。
多くの人にワインを楽しんでいただくことで、ソムリエの仕事はどんどん広がっていきます。
新作入荷の告知や試飲会、レアな銘柄を仕入れてのイベントなど。お店の販促企画のほか、ワインファンの裾野を広げるために独自でイベントを立ち上げるソムリエもいます。

ソムリエの1日

ソムリエがどのような流れで仕事を行っているのか。勤務先によって異なりますが、一般的な業務フローをレストランをはじめとした飲食店に勤務しているケースを例に見てみましょう。

なお、ランチでもワインを提供している店なら始業は11時くらいですが、ソムリエはディナータイムだけ出勤している店が多く、その場合は午後からの勤務となります。
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お店の営業前

・ワインセラーの状態の確認や、店内清掃・備品補充などの開店準備
・ミーティング(予約やメニューの確認、新メニューやサービスの提案など)
・その日のメニューに合うワインの選定と、ワインリストの作成
・提供するワインの試飲(味が落ちていないかなどをチェック)
・料理の仕込みの手伝いや接客準備

お店の営業中

・一般的な接客サービス業務(オーダー・料理の提供・会計など)
・お客様へのワインの提案とサーブ
・お客様のアテンドとお見送り
・バッシングと皿洗い
・合間に休憩

お店の営業終了後

・グラスや道具の手入れ
・ワインセラーの在庫や売上の確認
・インポーターをはじめとしたワイン業者とのやり取り
・ワインの発注とワインリストの更新
・予約の管理
・スタッフへの教育
・店内清掃

退勤後や休日

ディナー営業を行う飲食店は23時くらいまで営業することが多いので、片付けを済ませて退勤は24時くらいになることが一般的。また接客業なので、休日は平日メインとなることがほとんどです。

多くのソムリエが常にワインの情報にアンテナを張り、ワインやそれにまつわることを学び続けているので、退勤後に勉強をしたり、休日にはワインを飲み歩いている人がほとんど。
定期的に開催されるワインの試飲会に参加したり、話題のワインバーやリカーショップを訪れたり、インポーターさんと交流を深めたり。長い休みが取れると、海外のワイナリーへ旅行を兼ねて出かける人もいます。

ソムリエに必要な知識とスキル

ワインに関するあらゆる業務を行うソムリエには、目の前のお客様にとって最適なワインを提供するために、大切な知識やスキルが多数あります。職場やポジションに応じて多少の違いはありますが、以下の内容は基本として身につける必要があります。
  • ・ワインの産地やブドウの品種などの知識
  • ・テイスティングのスキルと表現力
  • ・接客マナーとコミュニケーション力
  • ・料理についての理解と知識
  • ・マーケティング能力

ワインの産地やブドウの品種などの知識

ソムリエはワインの専門家。世界各国のワインの産地や地域の特徴、主要なブドウの品種、醸造方法など、ワインに関する膨大な知識が求められます。
ワインに適したブドウの品種だけでも50~1000種あると言われ、それらを世界各地のワイナリーでワインに醸造。品種や畑、醸造方法、生産年などで味わいは大きく異なり、銘柄数はそれこそ無数にあります。

近年はナチュラルワインや国産ワインについても知識を求められるシーンが多く、日本固有のテロワールと品種についても学びが必要です。
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テイスティングのスキルと表現力

銘柄ごとに異なるワインの風味を正しく理解して伝わりやすい言葉で表現する能力は、ソムリエにとってもっとも重要ともいえるスキルです。
感覚を研ぎ澄まして酸味、甘み、タンニン、ボディ、アロマなど、そのワインを構成する要素を分析し、お客様がイメージしやすいように的確かつわかりやすく伝える力が必要となります。

▼ワインの外観
グラスに注いだ時の色合い、色の濃淡、清澄度、粘性など。
「クリスタルのような輝きがある」「ガーネットのような濃い赤」など、宝石に例える表現が一般的。

▼ワインの香り
香りの強さ、変化、残り香など。
抜栓した時の「第1アロマ」、グラスに注いだ時の「第2アロマ」、グラスをくるくると回してスワリングさせた後の「第3アロマ(ブーケ)」の3段階で香りをみます。

  • ・第1アロマ:ブドウの品種が持つ香り。花や植物、鉱物に例える表現が一般的
  • ・第2アロマ:発酵や醸造に由来する香り。パンやキャンディー、バナナなどに例える表現が一般的
  • ・第3アロマ:熟成に由来する複雑な香り。植物やスパイスのほか、動物などに例える表現が一般的

▼ワインの味
アタック、味蕾で感じる甘味、酸味、渋み、苦み、塩味、旨味、飲んだ後に感じる戻り香と余韻など。
「ソフトな」「ねっとりとした」「爽やかな」といった状態を形容する言葉や、「力強い」「エレガント」「チャーミング」といったニュアンスを伝える言葉が使われます。

その他にも「忘れられないひと夏の恋のような」「目の前に広がる花畑のような」など、ソムリエのオリジナリティーがあふれる表現も好まれます。
また最近では「梅干しのような」「縁側でのんびりと日向ぼっこをするような」など、日本人がイメージしやすい表現もどんどん生まれています。
そのため、豊富なボキャブラリーとウィットに富んだセンスや想像力、それを受け取り手に応じたレベルで表現する力が必要になります。

接客マナーとコミュニケーション力

ソムリエは、お客様の来店目的や予算、知識レベル、好みのほか、同伴者がいれば人間関係の把握も素早くスムーズに行います。決して質問攻めにならず、自然な会話の中でお客様に寄り添い、絶妙な距離感で察するコミュニケーション能力は非常に重要。
また、お客様がリピーターの場合は、過去の来店履歴やお連れ様、料理や好みなどの情報を記憶しておく必要もあります。

そのうえで、お店のランクに応じた接客マナーや言葉遣い、立ち居振る舞いもマスターしなくてはいけません。高級店であるほどより高度なマナーが必要になりますし、お客様の表情や会話、服装や振る舞い、外国人であれば文化的背景などから雰囲気や希望を察してそれに応じた距離感でのサービスを提供することも大切です。
ワインをサーブする所作や身のこなしのほか、歩き方、目線、話し方や言葉遣い、会話の内容、声の大きさなど。様々な点に気を配ったおもてなしを行う力が求められます。

料理についての理解と知識

ワインと料理のペアリングを提案するには、料理への深い理解も欠かせません。ペアリングする料理のジャンルや味わいはもちろん、食材や調理法、使われるスパイスやソースなどがワインと組み合わせた時にどのように影響し合うかを考え、お互いの良さを引き立て合うワインを選ぶ必要があります。
特に日本では、出汁や旬の素材の旨みを活かした和食の繊細な風味を理解してワインをペアリングできるソムリエは重宝されます。

料理への理解を深めるために、キッチンで新人料理人とともに研修を受けたり、料理教室へ通うソムリエもいます。そこで得た技術を活かして、ワインに合うメニューを考案するソムリエも。ワインと料理の両方に精通すると、お客様へのサービスの幅が広がるほか、独立など将来のキャリアも大きく広がります。

マーケティング能力

世界各地のワイン事情や、ワインや料理に関するトレンドは日々更新されています。インターネットやメディア、輸入業者やワイナリーを通じ、常日頃から情報を収集してアップデートし続けることは、お客様の希望にお応えするためにも大切です。

また、ワインの魅力を広めてワイン好きを増やすために非常に役立つのは情報発信力です。必ずしも身につけるべきスキルではありませんが、SNSなどを使って新しく入荷したワインや、ワインとよく合う料理などを発信できるようになると、仕事の幅は大きく広がるでしょう。

ソムリエのやりがいと魅力

ソムリエは、ワインの奥深い魅力に惹かれ、それを広めたいと感じる人にはこれ以上なく魅力的な仕事。
知識や技術のほか、コミュニケーション力なども必要とされる難しさはありますが、その分やりがいも大きな仕事です。
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【やりがい・その1】一生学びが得られる

ワインには、産地、ワイナリー、銘柄、ブドウの品種、製造方法、風味など覚えるべき専門知識が山のようにあります。しかも毎年数多くのワインが生まれているので、学びが尽きることはありません。
さらに提案の幅を広げるためには、ワインに関する情報のほかにも料理への理解や、世の中のトレンド、社会情勢など、常に情報を更新し続ける必要があります。
努力は欠かせませんが、一生学ぶことが尽きないということに面白さを感じられる好奇心旺盛な人なら生涯楽しみを持って働けるでしょう。

【やりがい・その2】世界の歴史や文化に触れられる

ワインは世界中で作られ、各地の歴史や食文化、気候と密接に紐づいています。ワインを学ぶうえで、産地の文化や歴史的背景、土地の風土は切っても切り離せません。
買い付けに行くことで実際にその土地の文化に触れることができますし、ワインの味わいやペアリングする料理を通じても多くの知識が得られるでしょう。
ワインを通じて世界各地の魅力をお客様に伝えることも、ソムリエとしての楽しさにつながります。

【やりがい・その3】研ぎ澄まされた感覚を持ち続けられる

ワインのテイスティングを行うには、味覚、嗅覚、視覚が非常に重要です。これらの感覚を鋭敏に磨き上げていくプロセスはソムリエの仕事の一環ですが、これにより日常生活でも料理の風味、植物や風の匂い、美しい景色など、些細なことにも感動を得られることでしょう。

また、ワインの風味をより的確な言葉で伝えることもソムリエの大切な仕事です。
ワインの輝きや色調、香り、味わいやコク、余韻などを様々なものに例えながら魅力的に伝えるには、豊富なボキャブラリーとセンスや想像力が重要。多くの芸術作品や物事に触れて表現力を磨き続けるのも、ソムリエの仕事の楽しさのひとつです。

【やりがい・その4】人との出会いによる刺激が多い

飲食店におけるソムリエは接客業なので、やはりお客様の「美味しい」の言葉や笑顔に出会えることが、何物にも代えがたい喜びです。
また、お客様の好みを知るため会話量も自然と多くなるので、お客様から得られる刺激もたくさんあります。特に客層が幅広いお店であるほど日々様々な価値観に出会えるので、驚きや発見に満ちた毎日になるでしょう。

さらに、ワインの仕入れを通じて出会う輸入業者や国内外のワイナリーとの交流も、好奇心をくすぐることが多いでしょう。最新のワイン事情を見聞きしたり、世界各国の風習に触れたり。ワインについて積極的に学べば学ぶほど、交流が広がり刺激も多くなるのがソムリエの面白いところです。

ソムリエに向いている人

多くの知識やスキルが必要にはなりますが、生涯を通じてやりがいや刺激に満ちたソムリエという仕事。しかし、ただワインをたくさん飲み、ワインに詳しければ務まるわけではありません。それでは、どのような人がソムリエに向いているのかを見ていきましょう。

とにかくワインが好きな人

もっとも大切で基本的な資質は、何といってもワインへの深く熱い愛情です。
ソムリエは毎日多くの銘柄に接し、テイスティングを繰り返し、勉強を続ける仕事。ワインそのものを心から楽しみ、もっともっと追求したいという前向きな気持ちがなくては続けられません。

ソムリエ自身にもワインの好みはありますが、勉強の過程では好みではないワインも含めて多くのワインを味わいます。そして、お客様にワインの魅力をポジティブに伝えます。
そのため、どの銘柄であってもワインを飲むことが純粋に大好きで、情熱を持って魅力を伝えたいという思いがある人がソムリエとして成長できるでしょう。
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味覚・嗅覚・観察力が鋭く、記憶力に優れた人

ワインの色やテクスチャー、風味や香りの微妙な違いを識別できる繊細な感覚は、基本スキルとして必要です。そして、何百種類ものワインの違いを感じ取り、それぞれの特徴やデータを記憶して言語化する能力が求められます。
そのため、味覚や嗅覚といった感覚に加えて、記憶力も非常に重要なスキルといえます。

また、その鋭敏な感覚や観察眼と記憶力は、接客面においても大切です。
お客様の表情や言葉のニュアンスから好みや希望を読み取る観察力、そして最適なワインを提案する柔軟な判断力はソムリエとして信頼を得るために必要。さらに、お客様の好みや背景といった情報を記憶することもまた、お客様からの信頼を得てリピーターを増やすために求められるスキルです。

知的好奇心がある人

ソムリエに必要な知識はワインの味わいだけではありません。ブドウの品種、生産地域、醸造方法、歴史、世界各地の文化、ワイナリー、そして無数にある銘柄による違い。覚えなくてはいけないことは山のようにあります。
さらに毎年新しいワイン、新たな生産者が生まれるため、知識のアップデートは欠かせません。

ワインに限らず知的好奇心が旺盛で何かを学ぶことが楽しいと感じる人なら、無理なくどんどん知識を増やしていけるでしょう。
また、知的好奇心が強い人なら様々な価値観や知識を持つお客様との会話も弾み、多くの刺激を楽しみながら仕事を続けられると思います。

人に興味があり、コミュニケーション力が高い人

ソムリエは料理とのペアリングだけでなく、お客様との対話を通じてその方にとって最適なワインを提案する仕事です。そのため人に興味を持ちリラックスした会話を楽しめることと、ワインの魅力をわかりやすく程よいボリュームで伝えることは大切なスキル。ワインのスペシャリストであり、接客のプロフェッショナルとして、高いコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力は必要不可欠な要素です。

また、料理とのペアリングを考えるには、シェフとのコミュニケーションも重要です。料理への理解や関心を深め、シェフとの積極的な対話を通じてスムーズに連携することが、お店全体のサービス向上につながります。

緊張に強く、常に冷静に振る舞える精神力がある人

接客の仕事をしていると、毎日様々なタイプのお客様と接することになります。クレーム対応を余儀なくされることもあるかもしれません。また、時間帯によっては忙しさのあまり、目の前の仕事をこなすことで精一杯ということもあるでしょう。
しかし、お客様はどのような時も安定したおもてなしを求めています。

人前でサーブなどを確実にこなす緊張感、何事にも動じずサービスを行うプレッシャーは相当なものです。特に高級店の場合は重要なお客様をもてなす機会もあるでしょう。所作ひとつ、言葉遣いひとつが評価に直結することもあります。
このような難しい場面においても冷静さを保ちながら最高のサービスを提供する精神力の強さは、ソムリエの重要な資質です。忙しさやトラブルなどにも落ち着いて対応し、緊張感や浮つく気持ち、焦りなど心の動揺を抑えて常に変わらないサービスを提供できるソムリエは、お店やお客様からの信頼も厚くなるでしょう。

未経験からソムリエになるには?

未経験からソムリエを目指すには、ワインを扱っていてソムリエが在籍しているホテルのレストランやワインバーに就職するのが近道です。まずはサービススタッフやソムリエ見習いとして働き、経験を積みましょう。
ホテル・観光系の専門学校やワインスクールで学ぶと、ソムリエ見習いとして就職しやすくなります。

ワインの知識を活かして資格を取るのも就職に際して有利にはなりますが、ソムリエ資格には実務経験が求められるものもあります。なので、先に就職をして実務経験を積みながら学び、資格取得を目指したほうがいいでしょう。
ワインを扱うお店の場合、ソムリエ資格の取得をサポートしてくれることが多いので、先輩ソムリエから実践的に学びながら勉強を進めたほうが効率的です。

将来性は?ソムリエが働く場所

日頃ソムリエを目にする場所は、ホテルやレストランなど高価格帯の飲食店が多いと思います。
一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)によると、現在J.S.A.認定のソムリエ資格保有者は4万人以上。飲食店1店舗に複数名在籍することはほぼありませんが、その資格を活かして飲食店以外にもワインを扱う様々な場所でソムリエは活躍しています。
▶一般社団法人日本ソムリエ協会 資格保有者一覧表(2026年1月1日現在)

ホテルやレストラン、ワインバーなど飲食店

もっとも一般的な就職先はやはり飲食店です。
ホテル内のレストランやバーラウンジ、高級レストランのほか、最近は和食店でもソムリエが重宝されています。また、ワインに特化したバーやバルの場合は、接客スタッフとして複数のソムリエを採用していることもあります。
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ワイン輸入業者や酒類メーカー

豊富な知識を活かし、ワイン輸入業者や商社でバイヤーとして輸入銘柄の選定や販売戦略に携わるソムリエもいます。また酒類メーカーやワイナリーで営業として販売プロモーションに関わる人も。
英語力や交渉力、プレゼンテーションスキルが求められますが、より多くのワインと出会い知識を深められる仕事といえます。
また、ワインは好きだけれど飲食業界への就職に不安を感じる人や、営業は問題ないけれど不特定多数への接客は苦手という人、飲食店だと勤務時間が夜になりがちだけれど、できれば日中に働きたいという人にも人気です。

ワインショップやワインを提供する施設

接客業のひとつですが、飲食店ではなくリカーショップでワインの販売やアドバイスを行うソムリエも。近年はオンラインのワインショップも多く、仕入れや解説のアドバイスを行ったり、アプリなどを通じてお客様にワインを提案するなど、新しい仕事が増えています。

また、ワインを提供する施設や空間でもソムリエの資格は求められています。ワインで町おこしを行う自治体の施設や、旅客機、寝台列車など、ワインを扱う場所ではソムリエが持つ専門知識が求められます。ワイン人気の高まりとともに、ソムリエの活躍の場も増えていくといえるでしょう。

スクール講師やジャーナリスト、コンサルタント

ワイン人気が高まるとワインスクールも盛況になり、講師の募集も増えてきます。もちろんある程度の現場経験は必要ですが、ワインスクールや企業研修の講師として後進の育成に携わる人も。プロ志向の講習会のほか、アマチュア愛好家のためのワインセミナーを行いワイン文化の普及に貢献しているソムリエもいます。

そのほか、メディアにワイン関連の記事を執筆したり、SNSなどを通じて情報発信を行うなどワインジャーナリストとして活躍する人もいます。そこから知名度を上げて、ワイン愛好家のコンサルタントとしてプライベートセラーの管理やワイン収集のアドバイスを行う人も。飲食店やリカーショップのコンサルタントとして活躍している人もいます。
自ら発信できる場が増えている今、ワインブームも相まってソムリエの活動の幅もどんどん広がっています。

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ソムリエの年収はどのくらい?

ソムリエの勤務先は飲食店のほか、ショップや企業など多岐に渡るので、年収は勤務地や企業によって大きな幅があります。
平均すると年収300~600万円ほどですが、専門知識は経験によって深まるものでもあるので、最初は見習い扱いとなり、初任給は20万円前後と低くなってしまうことが多いでしょう。
高級ホテルのソムリエや商社のMD、旅客機のCAなどになると年収1000万円以上も狙えます。

このように幅はありますが、専門知識を活かせることから飲食店においても収入は比較的高め。
求人飲食店ドットコムに掲載されている正社員のソムリエの月給は、全国平均で約30.7万円 、東京都では約31万円 (2026年7~8月掲載)。資格を持っている場合は資格手当が支給されることもあり、給与水準はさらに高くなります。

ソムリエのキャリアアップ

勤務先や経験によって収入に大きな幅が出るため、年収アップやキャリアアップにはどこで働くか、どうやって経験や知識をアピールするかが重要になります。
ソムリエの仕事を長く前向きに続けるためにも、将来のキャリアパスを見てみましょう。

外資系ホテルなど高級店に就職する

レストランやバルといった飲食店に勤めているソムリエが年収アップを目指す方法は、料理人とほぼ同じです。
外資系のホテルや高単価なレストランはスタッフの給与や待遇も良く、そこでソムリエとして力を発揮できれば年収1000万円も十分に目指せます。
最初は見習いスタートになることもありますが、シニアソムリエ、チーフソムリエとステップアップすることで着実に給与はアップ。さらに、有名なホテルやレストランでの実績は次のキャリアにも大きなポイントとなります。
▶料理人の年収っていくら?年収1000万円は可能?調理の仕事で、安定や高収入を手にする方法はこちら!

より上位のソムリエ資格を取得する

ソムリエとしてのステップアップには、より高難度の上位資格を取得する道が挙げられます。
ソムリエとしての業務経験をはじめとした受験資格は設けられていますが、上位資格の取得はソムリエとしてのレベルの保証になり、職場での待遇向上にあたっての交渉材料が増えるほか、転職の選択肢も広がります。
もちろん試験への合格は自分自身の自信にもつながるので、受験資格をクリアしているようならぜひ挑戦しましょう。

コンクールに出場して好成績を収める

ソムリエとしての実力を示し知名度を上げたいと思ったら、ぜひソムリエコンクールに出場しましょう。
ソムリエのコンクールは国内外、様々な規模で開催されています。優勝はもちろん、入賞など何らかの成績を残せれば、それをアピール材料として仕事の幅を広げられます。

好成績で知名度が上がれば、メディア出演やスクール講師、店舗や商品のプロデューサーやコンサルタント、ワインディレクターなど、キャリアを多方面に広げることも可能です。

接客の場を大切にしたい場合は、自分自身でワインバーやレストランを開業するのも手です。
コンクール出場は必須ではありませんが、ソムリエとしての実力に根拠が生まれるので、働き方の選択肢は確実に増え、それに伴い収入や仕事の楽しさもアップしていくことでしょう。

資格がなくても働ける?おすすめのソムリエ資格とは

ワインを扱う仕事をするのに、ソムリエの資格は必須ではありません。飲食店の中には、ソムリエ資格を持たないワイン好きのスタッフがワインをメインで扱っているお店もたくさんあります。
とは言えホテルや高級レストランで働くには資格が必要だったり、就職後に資格取得を求められるケースがほとんどです。ワインの仕事に本気で取り組みたいと考えるなら、やはりソムリエ資格は取得するべきです。
画像素材:PIXTA

ワインに関する資格は初心者向けからプロフェッショナル向けまで難易度は様々。
プロのソムリエを目指すなら、 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が実施する

「J.S.A.ソムリエ呼称資格認定試験」と「J.S.A.ワインエキスパート呼称資格認定試験」

が一般的。
受験資格として実務経験が必要なので、今まで仕事で得てきた知識やスキルを確かなものにしたい人におすすめです。
▶一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)J.S.A.ソムリエ、J.S.A.ソムリエ・エクセレンス試験案内
▶一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)J.S.A. ワインエキスパート、 J.S.A. ワインエキスパート・エクセレンス試験案内


日本酒サービス研究会(SSI)が実施する

「ワインコーディネーター」と「ソムリエ」の認定試験

は、受験資格に実務経験は必要ありません。認定試験の前に1日~3カ月の講習が用意されていて、ワインの知識のほか、ソムリエとしての接客技術やセールスプロモーションについても学べるので、これからスタートしたい人におすすめです。
▶日本酒サービス研究会(SSI)ワインコーディネーター/ソムリエについて


さらに、世界基準で実力を試したい人には、
ロンドンに本部を置く世界最大のワイン教育機関 WSET(Wine & Spirit Education Trust)の

「WSET認定試験」

がおすすめです。
基礎的な内容を問われる「WSET Level1」から、プロとしての幅広い知識が英語で問われる「WSET Level4 Diploma」までレベルが4段階に分かれ、さらに「WSET Level4 Diploma」合格者だけが「マスター・オブ・ワイン(MW)」に挑戦できます。
ちなみに、日本人のMWは2026年8月現在たった2名。世界でも400名程度で、世界最高峰の称号と言われています。
▶WSET(Wine & Spirit Education Trust)


その他、国際的に活躍したいという人におすすめの資格として 国際ソムリエ協会(A.S.I.)が実施する

「International A.S.I. Sommelier Diploma認定試験」

があります。
こちらは実務経験が必要なほか、母国語以外での受験が必須。日本では一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が受験を斡旋しています。
▶一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)ASI Diploma試験案内

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よくある質問

Q.

料理やお客様に合うワインをおすすめする以外に、ソムリエはどんな仕事をするのでしょうか?

A.

お店にふさわしいワインを選定して仕入れ、品質管理を徹底しながら保管することはソムリエの重要な仕事です。また、ワインに合う料理を考案したり、ワインの魅力を広めるイベントを企画してワインのファンを増やしているソムリエもいます。

Q.

ソムリエの資格がなくても、ソムリエとして働けますか?

A.

はい。資格がなくてもワインの知識やスキルがあればソムリエとして働けます。ですがキャリアアップや収入アップを目指すなら、実力の保証となるソムリエの認定資格を取得したほうがいいでしょう。

Q.

ワインが好きなら、ソムリエになれますか?

A.

ワインが好きなことは大切な要素です。さらに嗅覚や味覚などの感覚に優れている人。生産地の歴史や文化などに対する興味があり、知的好奇心が豊かな人。そして落ち着いた接客ができる冷静さがあり、コミュニケーション能力が高い人がソムリエに向いています。

Q.

レストラン以外にソムリエが活躍する場面はありますか?

A.

はい。ホテルやレストラン、ワインバーなどの飲食店のほか、リカーショップや商社、自治体の施設、航空機など、ワインを扱うお店や施設で活躍できます。また、スクールで後進を育てているソムリエもいます。

Q.

ソムリエの年収はどのくらいですか?

A.

勤務先やエリアによって幅はありますが、専門知識が必要な仕事なので比較的高めで、平均すると年収300~600万円。ホテルや高級店、商社などに勤めると年収1000万円も十分に目指せます。

この記事の監修者
大久保俊

大久保 俊

株式会社シンクロ・フード 代表取締役

大手食品メーカー勤務を経て2008年にシンクロ・フードへ入社。「飲食店ドットコム」をはじめとする飲食店向けプラットフォームの開発・運用を長年牽引し、2025年12月に代表取締役に就任。テクノロジーを通じて飲食業界の課題解決と、日々の店舗運営・キャリア形成の強力な支援に取り組んでいる。

この記事の著者
阿部彩子

阿部彩子

コピーライター・ライター

北海道出身、東京都在住。コピーライター、ライター、作詞家。主に百貨店・住宅・飲食店などの広告を手掛けるほか、インタビュー取材も行う。宝塚歌劇と映画、マンガが大好き。