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2016-05-18 10:10:46.0

腰痛は料理人の宿命? 腰痛のメカニズムと効果的な予防策を紹介!

飲食店で働く料理人やホールスタッフの中には、日々の業務の中で、腰痛などの症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。腰は体全体を支えるとともに、足の筋肉や骨と連携し、さまざまな動作を行うときの重要な役割を果たします。そのため、腰痛を悪化させると運動機能が低下し、仕事や日常生活に支障が出ることも。飲食店で働く方にとっては、最も気を付けなければならない症状のひとつです。

そこでここでは、健康で生き生きと働けるように、腰痛を予防する方法、そして腰痛を患ってしまった場合の対処法について紹介。腰痛が起きるメカニズムと併せて詳しく説明します。

腰痛が起きるメカニズムは?

まず、腰痛がなぜ起きるのか、そのメカニズムを説明します。腰痛の原因はさまざまとありますが、主に以下の5つの原因で起こります。

1、背骨の変形

背骨は、緩やかなS字の形状で体を支えています。背骨が変形すると体を支えにくくなり、姿勢が悪化、筋肉とのバランスが崩れ、炎症を起こしやすくなります。そして腰椎に負荷がかかることで腰椎がずれ、これにより神経が圧迫されて腰痛が起こります。

2、骨盤のゆがみ

骨盤と腰椎はつながっており、骨盤がゆがむと、腰椎がずれて神経を圧迫するため腰痛が起こります。

3、腹腔内圧の低下

腹腔内圧はあまり聞きなれない言葉ですが、腹腔内圧とは簡単にいえば、おなかに力を入れたときに生じる圧力のことです。腹腔内圧が低いと背骨にかかる負担を大きくなり、やはり腰椎をゆがめ、腰痛発生の原因のひとつとなります。

4、腰周りの筋力低下

腰からお尻にかけては骨盤と大たい骨をつないでいる筋肉など多くの筋肉があります。これらの筋肉が低下すると骨盤や腰椎に大きな負荷がかかり、支えきれずにゆがみが生じ、これが原因となって腰痛を引き起こします。

5、精神的なストレス

1から4は物理的な痛みを生じさせる原因ですが、これら腰痛の原因がまったくなくても腰痛を訴える人がいます。このことから、心理的・社会的なストレスも腰痛の原因のひとつと考えられています。

腰痛になりやすい職業は?

腰痛になりやすいのは、立ったまま、あるいは同じ姿勢で長時間の仕事をする人です。料理人やホールスタッフ、さらにタクシー運転手、オフィスワーク中心の事務員などはその代表です。また、重量物の上げ下げを頻繁に行い腰に負荷をかける建設現場の作業員、そして介護職の職員も腰痛に悩む人が多いといえます。そのほか、保育士、看護師、美容師、店舗の販売員なども同様です。

長時間立ったままだと、なぜ腰痛が起きやすいかというと、それには人間の進化が関係しています。もともと人間は4足歩行をしており、進化のすえ2足歩行になりました。その過程で背骨はS字型のカーブを描くように湾曲。結果、腰に負担が掛かりやすいデメリットを生んでしまったのです。このため、長時間の立ち仕事の職業は腰に負担をかけ続け、さらにそこに重いものを持ったり、ストレスを感じることが多いと腰痛が加速されます。

腰痛を予防するには正しい姿勢、そして予防体操

では、腰痛を予防するにはどうすれば良いのでしょうか? 立ち時間の長い職業であれば、まず立っているときに腰に負担のかからないよう背筋をしっかりと伸ばし、その姿勢を保つことです。この姿勢は見た目も美しいので、接客ビジネスでは基本の姿勢です。腰痛以前にマスターしておかねばならない姿勢でもあります。

具体的には、頭、あご、胸が前に出すぎないで、また逆に反り返り過ぎないように背筋とひざをぴんと伸ばして立ちます。この姿勢を維持するのは、結構筋力を使いますが、意識してこの姿勢を保つことで必要な筋力が身につき次第にきつくならなくなります。その上で、効果的な腰痛予防体操としてウイリアムス運動を行います。

ウイリアムス運動は、以下の5種類の運動を行うことで腰痛防止に効果のある複数の筋肉を鍛えることができます。

1、仰向けに寝て、両手は万歳の状態で床面につけ、両膝を曲げた姿勢になります。このとき両膝は軽く離しておきます。この状態から上体を起こしながら、両手を両ひざの方に伸ばしていきます。腕は伸ばさずに胸の前で組んで行っても構いません。

2、両ひざを曲げた状態で横たわり、お尻を上方へ持ち上げます。このとき両腕は、おなかの上で組んでおきます。

3、両脚を伸ばした状態で、上半身を起こし、前方へ腕を伸ばし腰を曲げていきます。

4、寝転んだ状態で、両腕で両脚を抱え込み、背中を丸めて、両脚を胸の前に近づけます。

5、立った状態から、ゆっくりとしゃがみこみます。きつければ椅子や机をつかんで行います。

いずれの動作も、最初の状態にゆっくり戻って、また同じ動作を10回繰り返します。1日に2、3回、時間をおいて行うと効果的です。

腰痛になったらどうすれば?

腰痛はさまざまな原因で起こります。なかにはガンや動脈りゅうなど非常に重大な病気が原因で起こる場合もあります。もし次のような腰痛や症状があればすぐに整形外科を受診します。

・今まで経験したことない激痛
・どんな姿勢になっても痛みが強い
・足にマヒの症状がでている
・歩行ができない、脱力感が強い
・尿が出にくい
・発熱・発汗がある
・急激な体重減少を伴う

このような症状がない場合は、楽な姿勢で安静にし、痛みが鎮まるのを待ちます。また、動けるようであれば、安静にしているよりも、むしろ軽い運動を積極的に行う方が症状は早く改善する場合も。運動しても痛みが気にならない程度であれば、今回紹介した腰痛予防運動を行うことで再発防止が期待できます。

さて今回は、職業病ともいえる腰痛について、その発生メカニズムや腰痛防止策、腰痛になったときの対応策について紹介しました。腰痛は放置して我慢していても決して良い方向には改善していきません。積極的に腰痛にならない体を作ること、そして腰に悪い姿勢にならないように注意して生活、仕事をすることが大切です。腰痛を抱えながら飲食店で働いている方は、ぜひ上で挙げたような対策法に取り組んでみてはいかがでしょうか。