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2021/8/18
また、東京商工会議所は、コロナ禍で大きな影響を受けている中小の飲食店や宿泊・観光業などの会員事業者を中心に、9月末までに2万人分の優先接種を行う予定です。
対象は18歳から65歳未満までの2,000人。早ければ8月中旬を目途に、国からワクチンが供給され次第接種を開始します。
自治体や企業・団体が飲食店スタッフのワクチン優先接種を支援することにより、感染拡大の防止に大きく貢献できると期待されています。飲食店スタッフの大半を占める若年層にも接種が進めば、人員の確保や売上の回復などの兆しが見えてくるかもしれません。飲食業界でも早期接種を促進し、スタッフが安心して働ける職場やお客様が安心して通える環境を再整備していきましょう。
飲食店スタッフのワクチン優先接種を自治体が支援!業界団体や企業による接種支援も
目次
度重なる緊急事態宣言を受けて厳しい状態が続く飲食店スタッフに、新型コロナウイルスのワクチンを優先接種する自治体が登場しています。さらに、企業や団体が飲食店スタッフへのワクチン接種を支援する動きも広がってきました。そこで今回は、飲食店への優先接種を実施した自治体や、接種を支援する企業や業界団体を紹介します。
画像素材:PIXTA
飲食店スタッフへの優先接種を実施している自治体
■北海道稚内市
住民票が稚内市にあり、市内で飲食サービス業・宿泊業に従事している人が稚内市独自の優先接種の対象になっています。テイクアウトやデリバリー、ケータリングなどのサービスを提供する店舗で働くスタッフも含まれます。予約受付の締切は2021年7月8日ですが、締切後の申請にも随時対応する予定としています。■青森県むつ市
64歳以下のうち、むつ市の飲食店で働く市民も優先接種の対象に加わりました。市の「感染症対策あんしん飲食店等認定制度」で認定を受けた店舗のほか、宿泊施設で飲食を提供しているホールスタッフなども対象となっています。優先接種枠は、合計で約1,150人分。7月中旬以降、大規模会場での集団接種や病院での個別接種が行われています。■東京都
東京都が認定する「コロナ対策リーダー(感染症対策の責任者)」を登録した飲食店のスタッフを対象に、6月25日から優先接種が開始されました。十分に感染防止対策ができている、または都の職員から確認を受けた約4万店が対象となります。接種会場は都庁の南展望室で、1日最大1,500人を接種する方針です。また、東京商工会議所は、コロナ禍で大きな影響を受けている中小の飲食店や宿泊・観光業などの会員事業者を中心に、9月末までに2万人分の優先接種を行う予定です。
■福岡県福岡市
中洲エリアの接待を伴う飲食店(約2,000店)で働く人が、福岡市独自の優先接種対象に。予約不要で1日先着300人の接種者を見込み、7月13日から5日間にわたって臨時会場での接種を行いました。歓楽街の中洲には感染拡大地域を含め全国からさまざまな人が訪れるため、飲食店スタッフの接種によって感染拡大やクラスター発生の防止に期待が寄せられます。■沖縄県
沖縄県では、広域接種会場の県立武道館(那覇市)の予約枠に空きが出たため、飲食店スタッフが優先対象者に加わりました。「沖縄県の職業別感染者数で飲食店従業員が最多」という厚生労働省専門家会合での報告により、飲食店従業員の優先接種枠への追加が決定。7月1日から接種が始まりました。
画像素材:PIXTA
飲食店スタッフへのワクチン接種を支援する企業や業界団体
■ビール酒造組合
ビールメーカー5社で構成されたビール酒造組合(キリンビール株式会社・サッポロビール株式会社・サントリービール株式会社・オリオンビール株式会社・アサヒビール株式会社)は、取引のある飲食店や酒販売店のスタッフ4万7,000人に職域接種を実施。アルバイトも含め、18歳以上のスタッフが対象となります。接種会場は東京と大阪で、第1回目は7月19日~8月18日、第2回は8月19日~9月17日に行われます。■Gigi株式会社、株式会社ジャパネットホールディングス
Gigi株式会社と株式会社ジャパネットホールディングスは、飲食店スタッフの早期接種に取り組む共同プロジェクトを開始。株式会社ジャパネットホールディングスが実施する職域接種の対象者を、Gigi株式会社が運営する「さきめし」「ごちめし」「びずめし」の加盟店舗(約1,000店)にも拡大しました。加盟店舗のスタッフはもちろん、スタッフの同居者や二親等以内の家族も職域接種の対象となります。■モリオカマチナカワクチンプロジェクト、Go2ワクチンSaveモリオカ
モリオカマチナカワクチンプロジェクト(盛岡市内の飲食店経営者などで構成)と、Go2ワクチンSaveモリオカ(盛岡市内の飲食店・商工事業者の有志で結成)は、盛岡市の中心市街地にある飲食店の経営者や従業員などを対象に職域接種を実施します。交通手段や勤務日などの都合で、行政機関が行う集団接種会場へ行くのが困難な飲食店従事者が、職場近くで接種できるようサポートするのが目的です。対象は18歳から65歳未満までの2,000人。早ければ8月中旬を目途に、国からワクチンが供給され次第接種を開始します。
■ぐるなび
飲食店情報サービスを提供する「株式会社ぐるなび」は、団体・企業の職域接種で余ったワクチンと飲食店スタッフをつなぐ「余剰ワクチンマッチングシステム」を7月5日から始動しました。団体・企業と飲食店スタッフが事前に情報を登録しておくと、団体・企業が入力したワクチン余剰の情報が飲食店スタッフへと一括でメール配信されるシステムです。居住エリアを問わず、飲食店スタッフが早期に接種を受けられる可能性が広がるとともに、ワクチンを有効活用し無駄をなくすことができます。自治体や企業・団体が飲食店スタッフのワクチン優先接種を支援することにより、感染拡大の防止に大きく貢献できると期待されています。飲食店スタッフの大半を占める若年層にも接種が進めば、人員の確保や売上の回復などの兆しが見えてくるかもしれません。飲食業界でも早期接種を促進し、スタッフが安心して働ける職場やお客様が安心して通える環境を再整備していきましょう。
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この記事の著者
小川郁恵
ライター
スポーツ用品業界紙の記者を経て、フリーのライターに。飲食業界に特化した求人誌や、飲食店の紹介、結婚式場の情報サイト、飲食店のコンサルティング関連などさまざまなジャンルで、飲食業界の取材や記事執筆に携わってきた。ほかにも、観光スポットや温泉宿、求人広告、モデルルームをはじめ、幅広い分野の取材・執筆を担当。群馬県出身・在住。