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2016/11/4

一流シェフは高級食材をどのように学んでいるか? 共通点は料理ジャンルにとらわれない柔軟性

料理人なら誰もが食材の扱い方について学びます。しかし「高級食材」に限っていうと、“あまり手に触れたことがない”という方も多いのではないでしょうか。たとえば秋に美味しい高級食材といえば白トリュフが有名ですが、その価格は1キロあたり50万円前後。まさに高級店でしか扱えない食材といえるでしょう。

将来独立を目指す料理人は、こうした高級食材にも触れて、自らの知見を広げていくことが求められます。たとえば日本料理の名店『小十』の奥田透氏は、食材について以下のような目標を立てて修行に励んでいたそうです。

「25歳でお店を出すことを目標に、独立開業までの今後5年間でクリアしなければならないことを、思いつく限り書き出してみたんです。(中略)たとえば料理面でいえば、フグをおろせるようになる、アンコウをおろせるようになる、スッポンをおろせるようになる、など。独立したら誰も教えてくれませんからね」(RED U-35コラムより引用)


奥田氏の言葉通り、食材の基礎を学べるのは修行時代のみ。将来どのような業態の店を開くかにもよりますが、修業時代にいかに幅広い食材に触れるのかが、料理人としての引き出しの多さを決める大切な要素になりそうです。

和洋中、幅広く食材への知識が求められる時代に!

  

食材について学ぶには、日々の業務の中で実践的に学ぶのが一番です。もし高級食材について学びたいなら、そうした食材を扱う高級店で働くのが一番の近道といえるでしょう。

しかし、最近は食材の使い方が多様化し、西洋の食材が「和」や「中華」でも用いられるようになりました。食が多様化するこれからの時代で活躍する料理人になるためには、料理ジャンルに関わらず、幅広く食材について学んでいくことが求められそうです。

たとえば先ほども紹介したトリュフですが、最近はフレンチ・イタリアンだけではなく、日本料理や中国料理にも用いられるようになりました。昨年、「ミシュランガイド」の三ツ星を獲得した『虎白』もその店のひとつで、牛ミスジや卵かけごはんに大胆に用いられたトリュフは、日本料理の新たな可能性を提案しています。

また中国料理の名店『チャイナ―ルーム』もトリュフを積極的に用いる店として知られます。小籠包にあしらったり、タラバ蟹のスープにすり落としてみたり……。その斬新なトリュフ使いは、多くの美食家たちを虜にしています。

シェフ同士の繋がりを生かして学ぶのも有効

自身が専攻する料理だけでなく、ほかのジャンルの食材を学ぶにはどうすればいいか? 極端な例を挙げれば、他ジャンルの店で修行するのもひとつの手です。たとえば名古屋の人気イタリア料理店『リストランテ アルキオーネ』で腕をふるっていた鷲見好示氏は、“和の素材を学びたい”と日本料理店へ移籍した過去を持ちます。もちろんイタリアンシェフとしての実力を高めることが目的ですが、その大胆な行動力は、料理ジャンルの垣根がなくなりつつある今の時代には必要なことなのかもしれません。

また店を移籍して学ぶ大胆な方法以外にも、シェフ同士の繋がりを生かして学ぶ方法もあります。“スーパー割烹”として銀座でその名を馳せる『六雁』の総料理長・秋山能久氏は、“和”の技術を武器にしながらも、“洋”の考え方も柔軟に取り入れる人物。他ジャンルのシェフとも深い交流を持っているようで、フレンチの名店『ル・マンジュ・トゥー』谷昇氏にフランス料理の極意を学ぶこともあるのだとか。こうして料理人同士の横の繋がりを積極的に生かしていくことも食材を深く学ぶには必要なことなのかもしれません。

高級食材を扱う飲食店は限られてはいますが、料理人としての幅を広げるためには学んでおいて損はないはず。働く店舗以外でも学ぶ方法はいくつかあるので、積極的に行動へ移してみてはいかがでしょうか。

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