飲食店が知っておきたい冬の食中毒対策! ノロウイルスに負けない衛生管理の基本
冬の食中毒対策・スタッフの体調管理
まず従業員が体調をくずさないことが何よりも大事です。年末は忘年会シーズン、年が明けると新年会シーズンと、年末年始は繁忙期となる飲食店が多いため、ここで体調を崩す従業員がいると繁忙期を乗り越えることはできません。睡眠時間をしっかり確保する、栄養バランスを考えた食事をしっかり3食摂る、勤務時間内・外にかかわらず手洗い・うがいをしっかりするという基本から確認しましょう。
冬は特にインフルエンザやノロウイルスの被害が増えてきます。インフルエンザは短期間に多くの人へ感染が広がります。感染しないための予防はもちろんですが、万が一感染した場合は、他の人が感染しないよう外出を控えることが必要になります。ノロウイルスはウイルス性の食中毒ですが、非常に感染力が強く、少量のウイルスでも感染・発症します。アルコール消毒にも強いため、手洗いを徹底することが重要となります。
その他の食中毒も夏ほどではないとはいえ危険性は高いです。鶏肉による感染が多いカンピロバクターやサルモネラ菌、家畜の大腸に生息しているO-157などには特に注意が必要です。細菌による食中毒予防の三原則、細菌を手に「付けない」・細菌を「増やさない」・細菌を「やっつける」を徹底することが必要となります。
飲食店が食中毒を起こすとどうなるか?
このような体調管理や衛生管理を怠り、飲食店が原因となる食中毒が起きるとどうなるでしょうか。保健所の調査の結果、飲食店を原因施設とする食中毒と判断すると、当該飲食店は営業停止処分を受けることとなります。営業停止処分は2~3日のケースが多いですが、HP等で食中毒の情報を公開している自治体やニュースサイトも多いです。
また、食中毒の被害者から提訴されるケースも増えています。実際の判例では損害賠償額は様々ですが、賠償額によっては最悪の場合倒産する場合もあります。そこまでの賠償額ではなかったとしても、食中毒を起こした事実や訴訟に発展したということで、世間のイメージダウンや企業の信頼がなくなることは避けられないでしょう。
このような事態にならないように、常日頃から衛生管理の意識を高く持ち、食中毒を未然に防ぐことが必要となります。
食中毒を起こさない衛生管理とは?
食中毒を発生させないための具体的な対策を紹介します。まず、衛生管理の基本は手洗いです。顔や髪の毛を触った後、清掃作業やトイレの使用後、ゴミ処理をした後は、必ず手を洗うことを徹底しましょう。それ以外にも30分~1時間に1回は手を洗うことを習慣付けましょう。手洗い用のチェック表を準備して、従業員同士でチェックする仕組みを準備しておくといいでしょう。
また、手洗いはタイミングだけでなく、洗い方も重要です。ハンドソープと爪ブラシを使い、爪の中の汚れを落として、十分な時間をかけて洗い流し、ペーパータオルで水分を拭き取ります。洗い方もマニュアル化する、洗い方を手洗い場の見えるところに貼っておくとよいでしょう。
キッチンでは作業台はこまめに清掃し、まな板やダスターは毎日閉店後に洗浄・殺菌をして乾かすことで、細菌が発生しないようにしましょう。冷蔵庫や油汚れの付く設備、排水溝のグリーストラップなどもチェック表を活用して、定期的に清掃作業を行いましょう。
ホールではやはりトイレの清掃が重要です。開店前や閉店後だけでなく、営業中も時間を決めて定期的に行います。便器や手洗いだけでなく、ドアの取っ手なども細菌がつきやすい箇所なので、念入りに拭いておきます。また、少人数で運営する店舗ではホールとキッチンを行き来する従業員もいるかもしれませんが、特にホールからキッチンに入って作業をする際も手洗いを忘れずに行います。
対策の例をいくつか紹介しましたが、衛生管理の客観的な評価を専門業者に依頼することも検討しましょう。定期的に検査を行い、その評価と改善策を提示してくれるため、衛生管理の水準を上げるためには有効です。また、万が一食中毒が起きてしまったときの初期対応マニュアルや、生産物賠償責任保険への加入も検討しておきましょう。
いかがでしたか。今回はスタッフの体調管理や食中毒の対策について基礎知識を紹介しました。繁忙期こそ基本が大切です。まずはスタッフ全員が元気に出勤すること。そして、お客様に常に安心・安全で美味しい料理を提供できるよう、お店をあげて衛生管理に取り組んでください。
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