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2019/3/5

“バイトテロ”が飲食業界に激震! 悪ふざけから店を守るための対策とは

画像素材:PIXTA
昨今話題となっている、アルバイトスタッフによるSNSへの不適切な投稿。“バイトテロ”ともいわれるこれらの行為は、売上減少や株価の下落、さらには閉店に追い込まれるケースもあるなど、飲食店に多大なダメージを与えています。アルバイトスタッフを雇うことが多い飲食店にとって、決して他人事とは言えないバイトテロ問題。今回は飲食店のバイトテロ対策を考えていきます。

飲食店で相次ぐバイトテロ

世間を騒がせているSNSへの不適切な投稿は、その多くが、学生アルバイトによるものだと言われています。具体的にどんな投稿が炎上しているのか、2019年に入り話題となったバイトテロの事例をいくつか見ていきましょう。

・床に擦りつけた鶏肉を、そのままフライヤーで調理(大手カラオケチェーン)
・ゴミ箱に一度入れた魚を、まな板に戻す(大手回転寿司チェーン)
・氷を床に投げる、股間に調理器具を当てる(大手牛丼チェーン)

このように店内で悪ふざけをしたり、不衛生な行いをしたりする様子を撮影した動画(画像)がネット上で拡散し、炎上状態になっています。どれも飲食店のイメージを著しく損ねるもので、「アルバイトが行ったこと」で済まされるものではありません。では、バイトテロを防ぐために、飲食店はどのような対策をとればよいのでしょうか。

飲食店ができるバイトテロ対策とは?

画像素材:PIXTA

若者がSNSへ不適切な投稿を行う理由としてよくあげられるのが「ITリテラシーの低さ」です。SNSの敷居が低い現代では、SNSに投稿する=不特定多数の人に見られる可能性がある、という認識が欠如している人も少なくありません。

ネットに投稿することの危険性をよく理解しないままSNSを利用し、バイトテロを引き起こしてしまうこともあります。実際に最近の事例は、もとは仲間うちだけで悪ふざけを共有していたつもりだったのものが、動画が拡散されてしまったことで大事になっています。

また、衛生面に対する認識不足や管理者の不在、職場待遇の悪さなどもバイトテロが起こる一因と考えられています。では、飲食店では具体的にどのような対策を行えばいいのでしょうか。

■スタッフ教育の徹底

スタッフ一人ひとりに対し「衛生面」や「ITリテラシー」について、改めて伝えていくことが大切です。採用直後からスタッフ教育を徹底し、軽い気持ちで行った不適切な行動や投稿が企業や個人に大きな影響を与えることを認識してもらいます。とくに4月は、新たなアルバイトが入ってくる時期。採用開始前に、改めてスタッフ教育を見直してはいかがでしょうか。

・衛生面に対する知識
バイトテロで問題となることの多い不衛生な行いは、スタッフ一人ひとりが「食の安全を担っている」という認識が欠如していることが原因でもあります。飲食店は、お客さんと店側の信頼関係の上で成り立っています。食中毒の危険性など、衛生面に対する知識をスタッフに伝えることもバイトテロを未然に防ぐための対策です。

・SNSやコンプライアンスに関する知識
若い世代がスマホやSNSを使いこなしているからといって、必ずしもITリテラシーが高いわけではありません。実際に起こったバイトテロの事例も踏まえ、情報セキュリティやコンプライアンスの知識向上を図るのも対策の一つでしょう。炎上による個人情報露呈の危険性など、SNSへの不適切な投稿を行った結果受けるであろう影響を伝えるのも、バイトテロを抑止することに繋がります。

■就業中のスマホ利用・持込み制限

バイトテロの多くは、スタッフが店内で動画や画像を撮影し、SNSに投稿したことに起因します。そのため、店内でのスマホ利用を制限するのも一つの手です。就業中、キッチンやホールにスマホを持ち込ませない、撮影を行わせないなど、ルールを明確にすることでバイトテロを防ぎましょう。

また、こうしたバイトテロは、アルバイトのモチベーションが低下が原因という声もあります。職場環境や待遇を見直し、低賃金で重労働をさせていないか、スタッフのモチベーションが下がるような職場環境になっていないかなど、今一度職場環境や待遇について見直してみましょう。

万が一、バイトテロが起きてしまったら?

画像素材:PIXTA

自分の店舗でバイトテロが起きるとは考えたくないものですが、万が一バイトテロが起こってしまった場合、飲食店側はどのように対処すれば良いのでしょうか?

いち早く店長などの責任者が謝罪するのはもちろんのこと、問題となった食材の破棄や設備の洗浄を行うなど、まずは信頼回復に務めてください。また、再発防止のための施策も検討し、すぐに取り入れましょう。最近では、不適切な動画の投稿に関わったスタッフに対し、法的措置を検討する飲食店もあります。

つい先日、大手定食チェーン店が全店一斉休業を発表しました。全店の清掃と従業員教育のため、およそ1億円という売上を犠牲にして対応するそうです。チェーン店ほどバイトテロによる影響が大きいことがよくわかる事例です。

バイトテロが発生した飲食店が、お客さんからの信頼を回復するのは容易ではありません。飲食店側は、万が一でも起こることがないよう対策を講じていくことが大切です。

賠償問題や個人の将来にも影響する!?

さて、ここまで飲食店の対策についてお伝えしましたが、実際に飲食店で働くアルバイトスタッフにとっても人生を狂わせる一大事になることをお伝えしておきます。出来心で不適切な行動を起こさないように、以下のことを肝に銘じておきましょう。

バイトテロによる影響は、飲食店だけでなく投稿に関わった個人にとっても大きなものです。飲食店から解雇や法的措置が取られる可能性があるほか、ネットに名前や学校名といった個人情報が晒されてしまうケースも。一度ネットで拡散された情報はデジタルタトゥーと呼ばれ、消すことが難しく、人生そのものが狂わされてしまうこともあります。「面白いから」「仲間内で話題になりそう」という軽い気持ちで投稿するには、重すぎるリスクがあるという認識を持ちましょう。

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