しょくヨミ!! 飲食店の正社員/アルバイト求人情報サイト [更新:12月16日 16:18]

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大手飲食店のキャリアパス完全ガイド。店長の次は? 年収1000万円も目指せる道筋

目次

「今の店でスキルを磨いてきたけど、この先のキャリアや年収はどうなるんだろう…」個人経営の飲食店で働く人の「ネクストキャリア」にはさまざまな可能性があります。自分の実力は大手企業でどれくらい通用するのでしょうか。

本記事では、大手飲食店におけるリアルなキャリアパスと、年収・評価制度を解説します。5年後、10年後のあなたが輝くための、具体的な道筋がきっと見つかるはずです。

この記事は、こんな人におすすめです。
・自分のスキルや経験が、大手企業でどんな役職や年収に繋がるのか知りたい
・店長や料理長の「その先」にあるキャリアパスを具体的に描きたい
・個人店での経験を武器に、キャリアアップ転職を成功させたい
・現在のキャリアで「どこまで上を目指せるのか」を知り、自分の可能性を試したい
画像素材:PIXTA

大手飲食店のキャリアパスとは? 店長の先にある「2つの道」

結論から言うと、大手飲食店には大きく分けて2つの主要なキャリアパスが存在します。1つは、店舗運営のプロフェッショナルとして現場を極めていく道。もう1つは、現場での経験を基盤に、本社で会社全体を支える専門職へと進む道です。

多くの人が店長になった後のキャリアについて、「その先はどうなるのだろう?」と漠然とした不安を抱くかもしれません。しかし、大手企業には、あなたの経験や適性に応じて多様な道が用意されています。個人店から大手への転職を考えるなら、まずはこの全体像を把握しておくことが重要です。

店舗運営のエキスパートを目指す

現場での経験をさらに深化させ、より広範囲の店舗運営を担うキャリアパスです。店長として培ったマネジメント能力や課題解決能力を活かし、会社の売上と成長に直接貢献する重要な役割を担います。

SV(スーパーバイザー)

SV(スーパーバイザー)は、本部と店舗をつなぎ、ブランドの価値を現場で体現させる伝道師のような役割を果たします。担当する複数店舗のQSC(クオリティ・サービス・クレンリネス)レベルを最高水準に維持・向上させ、本部方針を現場に正確に浸透させます。
相談相手となるコミュニケーション能力、課題発見と解決の問題解決能力、店長育成のコーチング力が求められ、成果はQSC評価や売上高前年比、定着率などのKPIで測られます。

エリア長

エリア長は担当エリアの「経営者」。5〜10店舗をひとつの事業体と捉え、収益最大化を図ります。PL(損益計算書)を読み解く計数管理、複数店長を束ねるリーダーシップ、次世代人材の発掘・育成が鍵。評価は売上・利益の予算達成率やFLコスト最適化など明確なKPIで行われます。

ブロック長

複数エリアを束ねる上級管理職。中長期の成長戦略を描き実行し、現場の声を経営陣に還流する役割も担います。事業戦略立案や組織開発が不可欠で、ブロックの事業利益額・市場シェアなど経営KPIに責任を持つ、事業部長クラスへの登竜門です。
画像素材:PIXTA

店舗経験を武器に、本部専門職で活躍する

現場での成功体験や課題意識は、本社での企画・管理業務において非常に価値のある「生きた情報」。店舗運営で培った顧客視点やオペレーション知識を活かし、会社の根幹を支える専門職として活躍する道も開かれています。

商品開発

ブランドコンセプトに基づき、熱烈に支持され利益にも貢献する商品を生み出します。現場感覚に加え、トレンド分析、コスト設計、マーケティングの知見が必要。売上・販売数・原価率・顧客評価スコアなどがKPIです。

企画・マーケティング

集客・販促を担う仕掛け人。顧客ニーズとPOSデータから仮説を立て、キャンペーンに落とし込む実行力が重要。SNS等のデジタル活用も必須。売上増加率、新規獲得、ROAS等で成果を評価。

人事

成長戦略に必要な人材を確保・育成・定着させる仕事。採用面接・研修企画・労務知識・評価制度設計が求められ、充足率・離職率・エンゲージメント等で貢献を可視化します。

店舗開発

出店戦略に基づき優良物件を確保し、計画通りに開店させるプロジェクトを推進。商圏分析、交渉力、工程管理力が鍵。新規出店数や開店後の売上・投資回収期間などで実力が問われます。
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【役職別】大手飲食店の年収は? 給与・ボーナスの仕組みを解説

キャリアパスを考える上で、年収は最も重要な要素のひとつ。大手では役職ごとに給与テーブルが整備され、個人の頑張りはインセンティブや手当で反映されやすい仕組みです。

役職別に見る年収モデルの目安

企業規模や業態で差はありますが、一般的な目安は以下の通り。着実にステップアップすれば年収1000万円超も十分に可能です。
出典元:求人飲食店ドットコム

店長・料理長クラス:500〜700万円

店舗責任者として売上・利益・人材管理を統括。実績次第でインセンティブが上乗せ。個人店からの転職はこの層からのスタートが一般的。

エリアマネージャー:700〜900万円

複数店舗を統括。業績責任を負う分、基本給・役職手当が高め。経営層に近い立場で仕事のダイナミズムも増します。

部長職:900万円〜

事業全体を統括し、会社の成長を牽引。1000万円超のケースが多く、高い経営手腕とリーダーシップが求められます。

大手飲食店のボーナスとインセンティブ

ボーナスの算定方法(例:基本給×評価係数×業績係数)

多くは年2回支給。個人評価と会社業績を掛け合わせて算出され、個人の努力と会社の成長の双方がボーナス額に反映されます。

インセンティブの種類(売上目標達成、利益率達成、QSC評価優秀店舗など)

月次・四半期目標の達成で別枠支給。売上・利益率・QSC覆面調査など多面的指標で、公平にモチベーションを高めます。

給与だけじゃない、飲食企業におけるさまざまな「手当」

役職手当

役職の責任に応じて支給。ポジションが上がるほど金額も大きく。

家族手当

配偶者・子どもの人数に応じて支給。ライフステージの変化にも安心。

住宅手当

家賃補助や社宅制度など。転勤の負担軽減に寄与します。
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年収アップの鍵! 大手飲食店の人事評価制度を徹底解説

多くの企業は公平性と客観性を担保するため、複数制度を組み合わせて運用。評価項目や目標は期ごとに明確化され、達成度が給与・賞与にウェイト配分で反映されます。

定量・定性評価

定量:売上・利益率・人件費率などの数値実績。
定性:リーダーシップ・チーム貢献・育成など行動やプロセス。両面評価で総合的に判断します。

個人目標管理制度(MBO)

期初に上司と目標設定し、期末に達成度で評価。「新規顧客〇%増」「客単価〇円UP」など具体目標で主体性と納得感を高めます。

コンピテンシー評価

高業績者に共通する行動特性を基準化。店長なら「リーダーシップ」「課題解決」「人材育成」など役職別要件で評価。

360°評価

上司・同僚・部下など複数方向から評価。気づきが増え自己成長に繋がり、特にマネジメント層での導入が多い手法です。
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転職前に知りたい! 大手飲食店で働くメリット・デメリット

個人店から大手への転職は大きなチャンス。一方で働き方や環境は変わるため、両面を理解して意思決定を。

大手飲食店で働くメリット5つ

1. 充実した福利厚生と安定した雇用環境

社会保険・各種手当・退職金・社員割引など。安定基盤で長く働けます。

2. 体系化された教育・研修制度で着実にスキルアップ

階層別研修や専門教育で、個人店では学びにくい知識も体系的に習得。

3. 多様なキャリアパスと挑戦の機会

店舗のエキスパート、本部専門職、社内公募などで自律的に道を切り拓けます。

4. ブランド力を活かしたスケールの大きな仕事

大規模キャンペーンや新業態開発など、影響力の大きい仕事に関与可能。

5. コンプライアンス遵守の徹底

労務管理やハラスメント対策が徹底。健全に働ける環境が整備されています。

大手飲食企業で働くデメリット3つ

1. 全国転勤や店舗異動の可能性

キャリアアップ過程で転勤・異動が避けられない場合も。希望外地域の可能性も考慮を。

2. 意思決定のスピードと裁量権の範囲

本社承認が必要な場面が多く、個人店のような即断は難しいことも。

3. マニュアル化による業務の標準化

安定運営の反面、独自の工夫を出しづらく単調に感じる可能性もあります。
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飲食業界で5年後、10年後を見据えたキャリアプランの立て方

納得のいくキャリアには、将来を見据えた計画が不可欠。以下の3ステップで設計しましょう。

STEP1:自己分析で「現在地」と「強み」を言語化する

スキル・興味/価値観・強みを書き出し、具体的なエピソードで整理。「メニュー開発で売上〇%UP」「新人育成の成功」など数値や事実で可視化。

STEP2:目標設定で「目的地」を具体的に描く

5年・10年の役職/年収/仕事内容をリアルに設定。「エリアマネで年収800万円」「商品開発で全国展開」など。

STEP3:行動計画に落とし込み「今やるべきこと」を明確にする

「月2冊のマネジメント読書」「転職エージェント登録」「POS分析を習慣化」など、今日からの小さな一歩を積み上げます。

個人店の経験を武器にキャリアアップするための転職戦略

個人店での経験は大手でも強力な武器。その価値を相手に伝わる言葉で提示しましょう。

あなたの経験を大手企業の言葉に「翻訳」する

例:「日々の接客」→「顧客満足度向上のためのリレーション構築」、「仕入れ管理」→「原価管理とサプライヤー交渉」など、ビジネス用語に置き換えて訴求します。

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職務経歴書では、実績を具体的な「数字」で示す

「新メニューで月次売上10%UP」「オペ改善で人件費5%削減」など、誰が見ても分かる数字で成果を明示しましょう。

面接で経験をアピールするなら、具体的なエピソードを用意しよう

課題→思考→行動→結果のストーリーで語ると、人柄や仕事観が伝わり採用側の心を動かせます。

これまでの経験を活かして、納得のいくキャリアパスを

個人店で培ったスキルは大手の多様なキャリアで必ず活きます。店長の先には、現場を極める道も本部で支える道も広がっています。現状に満足せず可能性を信じて行動を。この記事で示したキャリアパス・年収・評価制度の知識を参考に、あなたの5年後・10年後を見据えたプランを描いてください。あなたの経験は未来を切り拓く強力な武器です。

大手飲食店のキャリアパス よくある質問

Q.

個人店の経験しかありませんが、本部の専門職に転職できますか?

A.

はい、可能です。商品開発やマーケ、採用・教育などでは現場視点やオペレーション経験が高く評価されます。まずは店長候補として実績を作り、社内公募などで本部職へキャリアチェンジするのが一般的です。

Q.

大手飲食店への転職で重視される共通スキルは?

A.

役職により異なりますが、共通して「マネジメント能力」と「課題解決能力」が重視されます。売上・コスト・人材を管理し、課題に対して主体的に解決策を実行できる力です。

Q.

年収1000万円を目指す現実的なルートは?

A.

店長→エリアマネージャー→ブロック長→事業部長と現場ラインで昇進する道が現実的です。実績が評価に直結しやすく、高報酬に設定されています。本部で専門性を極め、部長職に就くルートでも可能です。

Q.

面接で「個人店の経験で当社にどう貢献できますか?」と聞かれたら?

A.

「売上から原価・人材育成までを一気通貫で担ってきた経験は、店長として店舗全体の利益最大化に直結します。お客様一人ひとりに向き合って培った付加価値の高いサービスで顧客満足度向上に貢献できます」のように、経験と入社後の貢献を具体的に結びつけて答えましょう。

  • この記事の著者
    飲食店ドットコム編集部

    飲食店ドットコム編集部

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