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2023-06-29 16:20:08.0

火災発生を防ぐために!飲食店の防火対策と避難時の流れ

火を使うことが多い飲食店での火災件数が、全国的に増加しています。飲食店での火災は、うっかりミスや設備のメンテナンス不足などによって起こりがち。そのため、スタッフ全員の防火意識が高まれば、発生リスクを大きく下げることができます。ここでは、飲食店に求められる防火対策と、万が一火災が発生したときの対処法を紹介します。
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飲食店で特に多い火災の原因

飲食店での火災の多くが、調理者がコンロに火をつけっぱなしでその場を離れてしまう、熱くなりすぎた調理器具が油に引火するといった原因で起こります。また、排気ダクトなどに高温の油を含む煙が吸い込まれることで発火するケースもあります。

そのほか、鍋からの吹きこぼれで火が消えたあとコンロをオフにするのを忘れ、出続けたガスによって引火するケースも。また、コンセントの接続部にホコリが溜まっていたり、プラグの差し込みが十分でなかったりすることも火災の原因となります。

火災の発生を防ぐ対策

もっとも起こりがちな「コンロに火をつけたまま離れて放置する」というミスには、防火対策を記したシートを目立つ場所に貼って対策しましょう。スタッフ全員の意識をより高めるために、防火対策マニュアルを作成して掲示するのも大切です。

また、スタッフ全員がコンロやフライヤーの正しい扱い方を改めて確認し、危険な使い方をしていないかチェックする機会を設けてください。スタッフのミスがなかなか減らないときは、立消え安全装置や調理油過熱防止機能、不完全燃焼を防ぐ機能などを搭載したコンロに入れ替えることも検討しましょう。

火災は人為的ミスだけでなく、設備の経年劣化によっても起こります。コンロや排気ダクトの定期的な点検やメンテナンスによって、過熱や漏電が生じる前に早めの対策を。火災が起きたときのために、火災報知器や消火器も定期的に点検してください。

火災が起きたらどのような手順で行動すべき?

もし火災が発生してしまったら、次のような流れで対処しましょう。

■消防に119番通報

まずは119番に電話します。慌てず落ち着いて話し、消防隊が火事現場の建物をすぐ特定できるよう目印を伝えます。

■近隣住民や建物内の他テナント、防災センターに火事を知らせる

延焼の危険性を考慮し、近隣の建物に火災が発生したことを報告してください。同じ建物内に防災センターがある場合は、連絡を入れると建物全体のテナントに火災発生を知らせてくれます。防災センターは救出や怪我の応急処置に役立つ備品や消火用の道具を備えているため、いざというときのために連絡先を控えておきましょう。

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■お客様の避難を誘導

火災現場に酸素が入り込んで爆発するのを防ぐために、ドアや窓を閉めてから避難します。お客様には「一酸化炭素中毒の原因となる煙を吸い込まないよう、ハンカチなどで鼻と口を覆いながら歩いてください」と伝えたうえで誘導してください。

煙は上に流れる性質があり、下のほうが安全な空気である可能性が高いため、低い姿勢で行動することも重要です。お客様に指示がしっかり伝わるよう、「はっきり、大きな声で、簡潔に」話すことを徹底しましょう。

■消火器で初期消火

避難誘導と同時に、手が空いている別のスタッフが初期消火を行います。炎から少し離れた位置から低い姿勢で、ほうきで掃くように横方向に消火器を動かすのがポイントです。すぐに逃げられるよう、消火活動は後ろに出入口がある場所で行いましょう。

屋外の場合は、風上から消火を行えば、煙や炎が自分に向かってくる心配がありません。消防に頼らず消火ができるのは、身長と同じ高さまでです。すでに高い位置まで燃え広がっている場合は、自力で消火しようとせず迅速に避難してください。

万が一に備え火災保険に加入しよう

火災が起こると大きな損害が発生する可能性が高いため、経営者は火災保険に加入しておくと安心です。火災保険で一般的に補償されるのは、破損した設備の修理や再調達、建物の修理や建て替えなど。建物内に収容されている什器や商品も補償の対象となります。

火災保険は、火災だけでなく水漏れや落雷、風災、盗難などによる被害の損失もカバーしてくれます。中には、被害による事業中断リスクの補償をオプションで設けているものも。自店に合ったものを探してみましょう。

設備の点検、安全装置付きのコンロ導入、ダクトのこまめな掃除といった対策の積み重ねで、飲食店での火災発生リスクを低減させることは可能です。また、万が一火災が発生しても慌てず迅速に行動できるよう、消火や避難のシミュレーションを平常時にスタッフ全員で繰り返し実施しておきましょう。