～鮨職人にフォーカスを当てて～

【店主・髙橋進吾】
1978年、茨城県生まれ。
四谷「すし匠」に16才で入店し、18年間修業する。
29才からの3年間、
五島列島で漁師や宮城県の酒蔵で酒づくりなど、
視野を広げるためにさまざまな経験を積む。
2013年に独立を果たし、南青山「匠 進吾」を構える。

【Q. &A. 　Interview】
Q. あなたが職人になったきっかけは？
A.学生時代に挫折がきっかけですね。
親戚の誘いもあり、この世界に入りました。
そこで私の親方に出会って、
職人になる始まりは偶然的なものでした。

Q. 今からでも職人を目指せますか？
A. もちろん、目指せます。
僕もこの道に未経験から入って、
20代から30代で途中違う仕事も見てきました。
他の業態/職種から見ると厳しい世界かもしれません。

今は鮨屋もたくさんある世の中で、
情報の広がり方、スピードも成長しており、
技術は色々な所で獲得することができると思います。
ただ、その中で1年、5年、10年といった年月が
嘘をつかないというのは変わらないと思います。
土台の部分をまずは身につける必要がありますね。

Q. 職人になるとは。
A.上記のように、そのお店で土台を身につけて、
経験を積むことで、職人としての柱が太くなります。
家と一緒で、土台が緩く、強固な柱でなければ崩れ、
またイチから建て直さないといけないです。
そういう部分では、家造りに例えられますね。

そして、土地が変わる=店が変わるということは
またそこで土台から作り直さないといけません。
土台ができて、店を出る者や満足する者もいますが、
しっかりした職人としては成っていないので、
レベルがやはりわかりますね。それはお客様にも。
厳しい世界かもしれませんが、踏ん張り続ける故に
立派な職人が完成するのだと思います。

Q. 『匠 進吾』では何を大切にされていますか？
A.上記のように職人になるには、
時間をかける必要があると思います。
ただ、その中で技術だけではなく、
大切にしてほしいのは人間性ですね。

人間性は仕事の姿勢に出ます。
それはこれまでの時間を語っていると思います。
鮨にも、態度にも、お客様との関係性にも現れ、
これまでの5年、10年をどう生きてきたか、
そしてこれからの5年、10年を
どう生きていくかを考えるきっかけになりますね。
そういったことをしっかりと考えられる「人間性」
これは大切にしています。

Q. これからの夢は？
A. 『匠 進吾』を構え、10年となりました。
お店としては確立されたものになってきました。
だからこそ、技術の継承による食文化の発展、継続と
自分の背中を見る人間の育成に努めていきたいです。

技術は教える力と吸収力で身についていきます。
その分、カウンターで自分も売っていく商売なので、
人間力をもっと次の世代に育んでほしいです。

Q. 鮨屋で働くということは？
A. 飲食のご経験がある方、未経験の方それぞれ、
「これまでの経験が活かせるだろうか？」
「未経験でのできることはあるのだろうか？」
不安や疑問もあるかと思います。

飲食業にとって厳しい時代が
少し前から続いてるかもしれません。
けれども、鮨屋は昔々から文化として残り続けると
これまでの歴史が物語っていると思います。

その中で、飲食で働きたい方や
新しいサービスのために勉強できる場として
当店はお客様へのサービスだけでなく、
飲食の発展の出発点としても有り続けたいです。

そんな思いを持ったお店です。
一緒に夢を叶えていける方と働いていきたいです。
共に働ける日をお待ちしております。