私がこの地に出店し、今年で１２年目になります。

創業した当初の新橋は、“俺のイタリアン”さんや“UOKIN　PICCOLO”さんなど、
全国でも知られる有数の強豪店が唸りを上げる激戦区でした。

当時、飲食店経験ゼロの私が、
どうしてそんな新橋を一号店の出店場所に選んだか。
地方で力を付け、徐々に拡大し、都心に進出するという選択肢もあります。
それで最終的に大失敗したのでは、何十年という人生を無駄にしてしまう。
それならば、


賑やかな駅前から離れ、
え？こんなところに？という、新橋の外れに佇む30席ほどのお店だ。

店名は“Pizzeria Bar Trico”(ピッツェリア バール トリコ)
イタリアの三色旗「トリコローレ」と、
お客様を「虜」にしていきたいとの想いから名付けられた。

お店の創業者は、漫画「美味しんぼ」でも掲載された老舗製粉会社の孫として生まれた。白鳥という男。
本格的なナポリピッツァの生地やパスタの生麺は、
専用の小麦粉の開発から、プロの理論と技術に裏打ちされた、完全オリジナル。
あり得ない程こだわった、これらのキラーメニューを、
あり得ない程リーズナブルに食べられて、
シェフの確かな技術に裏打ちされた料理では、さらにお客様を喜ばせる。
そして、とにかくアットホームで気が利くスタッフ。
仕事帰りのサラリーマンなどからは評判が評判を呼び、
今では連日満席のお店になりました。

グルメサイトやチラシ配りをはじめ、
一切の広告宣伝をしないスタイルは今も昔もずっと同じ。
週末はお店の外にまで、お客様と笑顔が溢れるその店は、
異色のオーラを放つ繁盛店として認知されるようになりました。

地道に一人一人のお客様に向き合い、
少しずつ前に進んできた理由。
それは、
“お客様と一生涯お付き合いできるお店でありたい”
から。
「あなたの行きつけのイタリアンはどこ？」と聞かれて、
当店を迷わず指名してくれるような。
そんな常連様達で、店内を満席にしていきたい。

普段の日はもちろん、ちょっと嬉しいことがあった日も、
お付き合いしたい相手とのデートでも、上司や部下との飲み会でも。
小規模なパーティでも、夫婦の大切な日にも、仲間の誕生日でも。

だから、奇抜な内外装も、聞いたことのないきらびやかなメニューも、
気取った接客も、駅前の大通りである必要もないし、
メディアや有料広告媒体へのアピールも一切いらない。
「粉のプロが作った本格ピッツァ」という、
キャッチーなアピール文句だって、店内外のどこにも書いていない。

目の前のお客様がどうすれば喜ぶのか。それだけを探求したいから。
料理やお酒や、人間性でアプローチすることをモットーにしている。
近年ではオーダー端末や配膳ロボットなど、
機械の導入も増えてきているが、
私達はあえてそのような手法をとらず、
お客様との繋がりを大切にしている。
それが私達のやり方で、
それが私達の存在意義そのもの。

全てはお客様を元気に、笑顔にするため。
当たり前のことを当たり前に、しっかり出来るお店でありたいと思う。
どんなに近代化が進んでも、
それさえ考えていれば、その先に必ず、私達の繁栄が待っていると信じ、
日々、協力し合い、取り組んでいます。

最後に。

当社では、かのコロナ禍においても、解雇や減給等は行わず、
残業代を含め、全員に全額を支給してきました。
そして、緊急事態宣言下においても、堂々とお客様の笑顔を守り続け、
取引先への支払いや、家族の生活を保障し続けてきました。
これは、私たちが家族とお客様を本当に大切に思い、
自らの仕事にプライドを持って取り組んでいることの証拠です。

今回、複数の独立者が出たタイミングで求人掲載に至りましたが、
新たな家族と出会い、共に成長していくのを楽しみにしています。