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2016-02-24 09:43:19.0

日本酒の知識を身につけて接客に生かす。和食店のサービススタッフが押さえるべき3つのポイント

2月5日(金)~2月14日(日)の10日間、六本木ヒルズにて日本酒のPRイベント「CRAFT SAKE WEEK」が開催されました。これは、あの中田英寿氏が主催したイベントで、全国100の蔵元から提供された日本酒を1日10銘柄ずつ紹介するというもの。厳選された日本酒が味わえるだけでなく、学芸大学のおでん店『件(くだん)』、神谷町のフレンチ店『SUGALABO』といった人気店の料理も楽しめるとあって、多くの日本酒ファンで賑わったようです。

ここ数年の日本酒の躍進はすさまじいものがあります。“おやじの酒”というイメージは今や昔。現在は若い世代、女性までもが好んで飲むお酒となりました。しかもその嗜み方は、まるでワインのよう。産地や銘柄にこだわるのはもちろん、香りを楽しむためにワイングラスを使用して飲む、フランス料理に日本酒を合わせる、といった方もいるようです。

そんな空前の日本酒ブームに飲食店として応えていくためには、銘柄をただ揃えるだけではなく、日本酒に対するしっかりとした知識を身につけて“生きた接客”をする必要があります。では、実際にはどのような知識が求められるのか? 詳しく見ていきましょう。

まずは日本酒の種類を把握しておく

日本酒は製造方法によって、「大吟醸酒」や「本醸造酒」といった具合に9つに分類されます。その分類のポイントは、醸造アルコールを使用しているかどうか、そして使用する米をどれだけ削っているかの2点。

たとえば醸造アルコールを用いない「純米系」は、米のふくよかな香りとコクのある味わいが特徴で“濃い口&甘め”になる傾向が。逆に醸造アルコールを用いるタイプは、みずみずしい香りと爽やかな味わいが特徴。そして“辛め”になる傾向があります。

また米を多めに削り、芯に近い部分のみを使用する「吟醸酒」は、果物のようなフルーティーな香りが魅力とされており、ワイングラスを用いて飲むとさらに香りを楽しむことができます。

こうした種類を把握できていれば、ある程度の味は判断できます。しかし大別はできたとしても、実際の味わいは飲んでみなくてはわかりません。ゲストへ正確なアドバイスをしたいのであれば、営業終了後に試飲勉強会を開く、または実際に飲んだことがある人の意見を知識として蓄えておくことが大切だと言えそうです。

味に関する表現を覚える

日本酒には味を分ける4つの分類と、味を表現するためのさまざまな言葉があります。これはゲストが味の好みを伝える際に用いる言葉なので覚えておくと便利です。

■味の分類

熟酒(じゅくしゅ)…香りが高く、味も濃い酒。熟成酒や古酒など
醇酒(じゅんしゅ)…香りは少ないが、味が濃い酒。純米酒や山廃など
薫酒(くんしゅ)…香りが高く、味が淡い酒。吟醸系の酒
爽酒(そうしゅ)…香りも味も淡い酒。生酒、低アルコール酒など

■味を表現する言葉

辛口…すっきりとした上品な味わいの酒。基本的に日本酒度が高い酒が辛口とされるが、日本酒度が低くても酸度が高ければ辛口となる酒
甘口…甘みを感じる酒。基本的に日本酒度が低いと甘口に分類されるが、酸度の高さによっては辛口となる
旨口…辛みが少なく、かつコクと奥行きがある酒
淡麗…さっぱりとした滑らかな味わいの酒
芳醇…香りが強く味もしっかりとした酒
しっかりしている…米の味わいが濃厚な酒
フルーティー…香りがよく辛くない酒
荒い…口に含んだときに刺激を受ける酒。熟成感が少なく若々しい味わいのものを指す
ふくらみ…しっかりとしたコクが、口の中に広がる酒
押し味…後味にふくらみがあり余韻を響かせる酒

これらのほかにも味を表現する言葉はまだまだあります。実際に試飲をしながら表現を学ぶのが一番身につくので、本気で学びたい方は日本酒専門店へ足を運んで学ぶといいかもしれません。

料理と合わせる際の基礎知識

ワインと同じく日本酒にもマリアージュというものがあります。その基本ルールを3つご紹介します。

■酒と料理の味の傾向を合わせる

さっぱりとした料理には淡い味わいの酒を、味の濃い料理にはしっかりとした味わいの酒を合わせるのが基本です。たとえば寿司のような繊細な味わいを楽しむ料理に、香りが強い酒を合わせるのはNG。

■酒と料理の温度を合わせる

鍋などの温かい料理には熱燗の方が合わせやすいと言われています。口の中が温かいままだと、冷酒の繊細な味わいがわかりにくくなってしまいます。

■口当たりや舌触りを合わせる

ソース系、クリーム系などの濃厚な口当たりの料理には、なめらかな舌触りの酒が合います。たとえばシチューなどの洋食に日本酒を合わせる場合は、濃厚な味わいの熟成酒や古酒がマッチします。

日本酒は奥が深く、一朝一夕ではすべてを学びきることはできません。ここでは接客をする際に必要最低限な情報をお届けしましたが、本気で学びたい方は、日本酒検定を受けたり、唎酒師(ききざけし)の資格を取得したりといった選択肢もあります。一度、検討してみてはいかがでしょうか。

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