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2015-11-18 09:29:22.0

料理人の成長の証しはどこに刻まれる? 「切る」技術と包丁の話

料理人にとって大切な技術のひとつである「切る」技術。魚をさばく、肉を開く、野菜を切り分けるといった包丁技術は、料理人にとっては絶対に欠かせないもの。技量を測るうえでも重要な要素となります。

特に日本人は、料理における「切る」技術に対して古来より敬意を示してきました。平安時代には魚をさばく技術が教養として重視されていたようで、その様子を披露する「包丁式」と呼ばれる儀式もあったほど。この“食材を切るところを披露する”という考え方は現在も受け継がれており、割烹料理店や寿司店などで板前の包丁さばきが披露されています。

ちなみに「切る」技術の象徴と言われているのが刺身。刺身は生き生きとした食感、そして凝縮された旨みが魅力の食べ物です。その魅力を引き出すためには、細胞を潰すことなくスパッと切り分けることが重要。細胞を潰してしまうと、そこから旨み成分が漏れ出して味を損ねてしまうのです。切れ味が鋭い刺身包丁を用いながら、刺身が一番美味しいとされる幅3cm、縦2cm、厚み1cmの寸法に切り分ける。正確な技術と美しい所作が求められる刺身担当者は「花板」と呼ばれており、店主または経験の長い料理人が担う重要なポジションとして位置づけられています。

料理ジャンル別に使用する包丁をご紹介

料理ジャンルによって使用する包丁も変わってきます。ここからは、ジャンルごとに使用する包丁を簡単に説明していきましょう。

■和食

和食の料理人が使用する包丁は大きく分けて4種類。三徳包丁、出刃包丁、刺身包丁、菜切包丁の4つです。三徳包丁は万能包丁とも呼ばれており、肉、魚、野菜となんでも切ることができます。家庭で最も使われている種類なので、お馴染みの包丁と言えるでしょう。また出刃包丁は刃が厚く頑丈なのが特徴で、肉や魚を骨ごと切ったり、魚を三枚におろす際に用います。そして刺身包丁はその名の通り、刺身を切る際に用いるもの。包丁を引くだけで刺身が切れるよう、身が長いのが特徴です。最後の菜切包丁は主に野菜を切る際に用いるもので、先が尖っておらず、四角いフォルムをしています。これら和包丁は片刃になっており、研ぎやすく切れ味が鋭いという特徴があります。

■洋食

フランス料理やイタリア料理のような洋食の料理人は、主に牛刀と呼ばれる包丁を使用します。その名前だけに肉専用の包丁と思われがちですが、これ一本で肉を切るのはもちろん、魚をさばいたり、野菜を刻んだり、果物の皮をむいたりと、和包丁でいう三徳包丁のような使い方をすることが可能です。また洋食特有の包丁としては、テリーヌなどの切りにくい料理を切り分けるための特殊包丁、野菜の面取りといった細かな作業をおこなう際に用いるペティナイフ、肉と骨を切り分ける際に用いる骨スキ包丁などがあります。

■中華料理

中華料理で使用する包丁は中華包丁のみ。これ一本でどんなメニューも調理します。ただ、刃の厚さによって種類が分かれるているようで、野菜用、魚用、鶏用などに分類されています。上で挙げた和包丁、洋包丁との違いは、重さを利用して切るところ。鶏の骨なども、包丁を振り下ろすだけでスパッと切ることができます。

料理人の成長の証は、すり減り小さくなっていく包丁に表れる

和洋中それぞれの包丁で言える大切なことは、しっかりと刃を研いで使用するということ。切れ味が悪い包丁だと、食材を必要以上に傷つけてしまいますし、怪我の原因にも繋がります。この研ぐことの重要性について、京都吉兆の総料理長・徳岡邦夫氏は、このようなコメントを残しています。

「『良い包丁がなければ料理はできない』。極論かもしれませんが、真実を突いている言葉だと思います。和洋中限らず、料理人にとっての包丁は命。自分の腕を伝える手段であるのですから、そのコンディションには細心の注意を払っておきたいものです。(中略)包丁には料理人としての思い出がいっぱいに詰まります。師匠から譲り受けたもの、初めて自分で金を出して購入したもの…など、さまざまです。そんな自分の一本だからこそ、自分で責任を持って研ぐ。包丁がベストの状態で調理ができるように、念を入れてメンテナンスをしてあげる。調理場では毎晩、誰かしら包丁を研いでいる姿が見られます。若い料理人達のそのような姿を見ていると、実はこの研ぎという作業から料理の道は始まるのでは、とさえ考えます」(京都吉兆ホームページより引用)


包丁は使い込むうちに少しずつ姿を変えていきます。すり減って小さくなっていく包丁の姿に、自身のこれまでの歩みを重ねる料理人も多いことでしょう。自身の成長を支えてくれるこれらの道具には、愛着を持って接していきたいですね。
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