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2021-07-29 19:27:07.0

マスクで熱中症のリスクが増大! コロナ禍で飲食店スタッフが実践できる熱中症対策

本格的な暑さが押し寄せ、夏本番となりました。2021年の夏は猛暑日でもマスクやフェイスシールドが欠かせず、コロナ以前と比べて熱中症の危険性がますます高まりそうです。今回は、飲食店スタッフが無理なく実践できる熱中症対策について紹介します。
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熱中症に陥りやすい状況とは?

熱中症は、どのような状況になると引き起こされるのでしょうか。主な原因として挙げられるのは、下記の4つです。

・体調不良(脱水症状、栄養不足、二日酔い、寝不足など)
・基礎体力の低下(疾病、持病など)
・高気温・高湿度
・激しい労働や運動

飲食店のキッチンには特に「高気温・高湿度」になりやすい条件が揃っています。鉄板・フライヤー・炭火・オーブンなどの熱で室温が上昇しやすいうえ、食器を洗浄したりお湯を沸かしたりすることで湿度も高まるからです。

では、具体的にどんな対策を行えばよいのか、3つの基本的な対策を見ていきましょう。

【対策1】店内の設備

高温・多湿を防ぐために、レンジフードのグリースフィルターや換気扇を見直してみましょう。油を除去する役割のグリースフィルターは、汚れによって目詰まりしやすい設備です。熱気を含む空気が排出される際の通り道を妨げないよう、定期的に掃除しましょう。

一方の換気扇は、掃除が行き届いているかだけでなく、空気を排出する性能が弱まってないかも確認を。排気能力が低下している場合は、室内の温度が上昇する原因になってしまうため、新しい物に交換するのがおすすめです。

また、送風機も稼働させてキッチン内の空気を循環させると、換気扇やエアコンの効果が高まります。限られた所だけを重点的に涼しくしたい場合は、スポットクーラーを導入してはいかがでしょうか。スポットクーラーは、移動できるため場所をその都度変えられるほか、壁に据付のエアコンよりリーズナブルに入手でき、大きなスペースを取る必要もありません。

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【対策2】水分補給

忙しい時間帯は目の前の作業だけに集中しがちですが、どんなに多忙でもこまめに水分を取ることを忘れずに。高温の場所では、自覚症状がなくても脱水症状になることがあるため、15分に1度の水分補給をおすすめします。飲み物は、冷たすぎると内蔵に負担がかかるため、冷やしても5度~15度くらいに抑えておきましょう。

また汗をかくことで、水分だけでなく塩分も排出されるため、塩分の補給も行いましょう。熱中症対策として適した塩分濃度は、約200ml(コップ1杯)の水に対し塩0.2g(ひとつまみ)と言われています。100ml中に40~80mgのナトリウムが入ったスポーツドリンクや経口補水液、塩分タブレット、塩飴などを用意しておくと安心です。

【対策3】暑さ回避と体調管理

各スタッフが日頃から、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠をとり、体調を整えておくことが重要です。就業前には必ず体調をチェックし、途中で気分が悪くなった時は無理せず涼しい部屋で休憩しましょう。

就業中に着用する衣服や制服、コックコートは、通気性に優れた素材のものを選ぶと、熱や湿気がこもりにくくなります。首に濡らしたタオルやネッククーラーを巻いておくと、暑さをさらに軽減できることも。ネッククーラーは、保冷剤を入れて使うタイプや電動タイプもあるので、自分に合ったものを選びましょう。

実際に熱中症になってしまった時、どうすれば?

熱中症の症状は、頭痛や倦怠感、不快感、虚脱感、手足の運動障害、けいれん、吐き気・嘔吐、高体温、筋肉痛、筋肉の硬直、めまい、失神、意識障害などさまざまです。万が一、熱中症になってしまった場合は、最初の措置が肝心。迅速に対処しましょう。

熱中症の可能性があるスタッフが周りにいたら、まず呼びかけてみましょう。意識がはっきりしていれば、涼しい場所で横にして寝かせます。服は、熱がこもらないよう緩めておくことが大切。自分で水分を飲めれば塩水や経口補水液、スポーツドリンクなどを摂取し、十分に休んでから帰宅させます。自分で水分補給ができない時や、水分を取っても快方に向かわない場合は、医療機関で診てもらいましょう。

呼びかけに反応せず意識がない場合は、無理に水分補給をせず、すぐに救急車を。到着するまでの間に、脇の下や首、大腿の付け根、足首を氷のうなどで冷やす応急処置をしておくと安心です。医療機関には、熱中症を発症した時の状況を把握しているスタッフが付き添い、本人に代わって状況を説明しましょう。

熱中症は、軽症ですめば安静にすることで快復しますが、時には死に至ることもあるため、軽く考えることはできません。熱中症になりにくい環境を整備するために、排気設備をこまめに手入れしたり、スポーツドリンクや塩タブレットなどを常備したりしておくと安心です。スタッフ全員が熱中症に対して理解を深め、リスクを軽減しながら夏を乗り切りましょう。