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2018-02-14 09:35:43.0

年間120万トンの食材廃棄!? 食材ロス問題の改善に向けて飲食店ができること

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まだ食べられる食品を捨てる「食品ロス」が、大きな社会問題となっています。外食産業が廃棄している食品は、国全体の5分の1にものぼると言われています。では、飲食店で食材廃棄や料理の食べ残しを減らすにはどのようなことができるでしょうか。今回は来る宴会シーズンに向けて飲食店ができる食材ロス対策をご紹介します。

食品ロスとはどんな問題?

本来食べられるはずの食料が、賞味期限切れや食べ残しなどを理由に廃棄されることを「食品ロス」といいます。日本の食品ロスは年間およそ621万トン。毎日毎日、国民1人がお茶碗一杯分、食料を捨てていることになります。
そのうち、飲食業界で廃棄される食料は年間およそ120万トン。全体の約5分の1に相当します。おいしく食事をしていただくために料理を作っているのに、これはとても残念な状態です。まずは要因を知って、どうしたら良いか考えてみましょう。

飲食店の食材廃棄の原因とは?

飲食業界の食品ロスでもっとも多いのが料理の食べ残し、食材の廃棄が挙げられます。飲食業界では、本来料理に使われるべき食材が何らかの理由で使われなかった分のことを「食材ロス」といいます。こうした食材ロスが生じる原因は主に3つ挙げられます。

・廃棄ロス
食材の発注オーバーや、保存管理の不手際によって食材が調理できなくなり、廃棄せざるを得ない状態になります。また、調理ミスなどによっても生じます。

・ポーションロス
料理を作る際に、必要以上の食材を使う「オーバーポーション」の際に生じます。

・商品ロス
厨房に料理の注文を通す時に誤って伝わるオーダーミスや、間違った料理を提供する提供ミスなどで生じます。

食材廃棄を防ぐため、飲食店のスタッフができること

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ホールスタッフ

まず大切なことは、オーダーミスや提供ミスを防ぐルールを作り、皆で共有することです。
たとえば、次のようなことが考えられます。

・注文を受ける際には品名と数量を復唱し、お客様に必ず確認する
・テーブル番号や通し用語を貼り出すなどオーダーの通し方を統一する
・提供前に、異物の混入がないか必ず確認する
・料理をテーブルに置く前に、お客様に必ず品名を確認する など

調理スタッフ

食材廃棄を防ぐためには、仕入れ量の管理や在庫管理が重要です。そのほか、食材の廃棄や調理ミスを防ぐために、次のようなことが考えられます。

・先に入れたものから先に出庫する「先入れ先出し」など食材の保存・管理のルールを決める
・清掃や詰め込みすぎを防ぐなど、貯蔵庫の管理を徹底する
・注文伝票の置き方や管理などのルールを決める
・スタッフが動きにくい所はないか、調理ミスを防ぐため作業導線を見直す など

料理の「食べ残し」を防ぐために

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食べ残しが1番多いのが宴会やパーティーです。農林水産省の統計では、宴会などでの食べ残し割合が約14%。残念ながら、約7皿に1皿が食べ残されている状況です。大人数になると、実際に食べられる量よりも注文が多くなりすぎることが原因の1つ。そのため、コースなどの予約の際には、幹事さんとコミュニケ―ションを取り、料理の分量を確認しあうことが必要です。

また、宴会以外での食堂・レストランでは、食べ残し割合は約3.6%。食べ残しがあった場合には、メニュー、分量、客層などを見直すことなどが大切です。また、注文を受ける際に、お客様に一皿当たりの量を伝え、注文量が多くなりすぎないよう、コミュケ―ションを取りましょう。

さらに、宴会シーズンは当日に予約をキャンセルができないよう予約確認を念入りに行うことも大切です。すでに仕込んだ大量の料理がロスになることはなんとしても避けたいところ。前日や当日のキャンセルについてはキャンセル料を設けるなどして、安易なキャンセルを防ぎましょう。

食材卸会社の挑戦も

飲食業界で食品ロスを防ぐために活動しているのは飲食店だけではありません。食材卸会社もさまざまな挑戦をしています。たとえば、形が悪いなどの理由で廃棄されてしまう規格外野菜を買い付け、飲食店へ低価格で卸したり、小ロットでの卸を可能にする会社もあります。また、精肉会社との協力により、本来殺処分される肉を仕入れて、新たな絶品料理へと生まれ変わらせる飲食店もあり、食材卸会社と飲食店双方が問題意識を持ち、共に解決に向けて活動しています。

いかがでしたか? 食品ロスは大きな社会問題です。飲食業界は「食」に最も深く関わる業界として、この問題には真摯に取り組みたいものです。お店単体でも工夫次第で食材廃棄や料理の食べ残しを減らすことができます。食材ロスを減らせれば、その分お店にとっては利益にもつながります。これから歓送迎会の宴会シーズンを迎えます。これを機に、食品ロスについて今一度考えてみてください。

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